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特集


エキサイティング火曜日
日本海であの人にさよなら

東京の遊園地ならほとんど行ったからさあ

わらわら

そして近付いてゆく

音楽やら本やら断食やらで失恋のカンを取り戻しつつ、心も体も順調に日本海へと近付いてゆく。

車内で地元の高校生らしき男の子が、しきりに東京の話をして女の子をナンパしていた。

気が付けば既に新潟県。最初は電車の旅に緊張していが、心配だった乗換えもみんないっせいにホームを移動するパターンがほとんどでスムーズにここまで来ている。

いよいよだ。先の「失恋ソングス」から、BGMはアン・ルイス「WOMAN」で盛り上がる。

目的地変える

実は計画では上越市の直江津駅に行くはずだったのだが、車内で車掌さんに直江津駅について聞いてみると、海岸までがちょっと遠いらしい。

「直江津まで行かなくても海水浴場に近い駅はその手前にたくさんありますよ。青海川駅は日本でいちばん海に近い駅ですし。」

ナヌ。日本一ですか。無邪気に計画変更。到着駅、「青海川」。


とどろく黒い海原

青海川駅に着くと確かに駅の後ろがすぐ海岸だった。日本海の海は想像どおり黒々としていてさすがの貫禄だ。この海岸で、砂に書いたあの人の名前と一緒に私の思いも洗い流されるのか。

ちょうど同じ日、妹が沖縄へ行っていたので同日の沖縄の海の写真を見せてもらった。

違う。明らかにテンションが違う。 沖縄がサンバのリズムであればこちらはもう間違い無く演歌。
ありがとう日本海。まるでイメージを裏切らないあなたの胸をかり、私、あの人を忘れるわ、末代まで忘れるわ。


これ、青海川海水浴場。
これ、沖縄 瀬底ビーチ。

砂浜じゃないってのがねぇ


書けないし、消せないし

最大の誤算

海岸では近所からちょっと来てみたという風な人たちがパラパラとまばらに遊んでいた。

一軒だけあった海の家を覗くと、お兄さんが気さくに話しかけてくれた。

「いいところでしょ。砂浜じゃないってのがちょっと痛いぐらいでさあ。」

ん?

見ると確かに砂が無い。石の海岸だ。

んん?

確か私は砂浜に好きだった人の名前を書いて消しに来たんじゃなかったっけか。それが目的でここまで来たんじゃなかったのか。片道8時間かけて。

消せないじゃん...。名前...。

アウトドアというものにほとんど縁が無く、そういった外遊びの知識に疎いのが完全に災いした。「海水浴場」と言えばどこも決まって砂浜だと思っていたのだ。

しかし、このままでは帰れない。なんとか気を取り直して、失恋の清算にまつわるエトセトラ、執り行ってきました。まとめてお伝えします。



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