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はっけんの水曜日
五月の満開のバラ園へ

「年をとると、どんどん植物に興味がわくんだよね〜、人んちの庭木が気になったり。お、この花にもうツボミが……とかねえ」
そう言っていたのは、タモリさんだったと思う。

私も年ごとに植物が好きになってきた。
特にこの5月は、近所の垣根のバラが、気になって仕方がなかった。
自転車を止めては、花びらの色にため息をつく日々。

バラ……。そうだ、一度バラ園に行ってみよう。
もっとも可憐な、乙女の憧れの花、バラを堪能しよう。
そこでゆっくり、老女のように優雅に、お茶でも飲もう。

そんな気持ちでバラ園に出かけた。
しかし現実は、「ひたすらバラにうっとり」という感じでもなかった。………むむ?

(text by 大塚 幸代


のしいか実演中。匂いがプーンと。

バラ園入り口なのに、やきそばの旗が…。

ベゴニアで出来たバラ。ベゴニアの立場なし。

かなり広い園内。

京成バラ園へ

東葉高速鉄道、八千代緑ケ丘下車。
新興マンションの群れをぬけ、10分くらい歩くと、バラ園がある。

バラ園に来るのは初めてだった。私の頭の中には、一応想像図があった。

 

【わたしのかんがえたバラ園】
バラのアーケードをぬけると、そこは大きな庭園
制服を着た園芸家が2人くらい作業中
さまざまな品種が咲き乱れ、見学する人はちらほら。若いカップルや園芸ファンらしき老夫婦、写真を撮ったりスケッチする美術系の人々など。
かたわらに英国風建築のティーハウスがあり、ローズティーが飲める。小さな雑貨コーナーもあって、ローズジャムやローズオイルが売っている。

まあ、こんな感じだったのだが、実際は違った。

 

まず、入り口の屋台で、のしイカを売っていた。
イカをひきのばす実演をやっていて、ロールにはさまれたイカは、もとの2.5倍の長さになっていた。
それに感心して見入る人びと。

他にもアイス、ヤキソバ、ダンゴなどの屋台、地元野菜の特売などがあった。
ブルガリアのローズジャムやワインの屋台もあったが、断然アイスのほうが混んでいた。

料金600円を払って中に入る。広い園内は、様々なバラが咲きまくり。確かにスゴイ。
でも、想像した乙女チックな英国庭園風な感じでもない。

デートらしき若カップルも、メモをとりながら見る園芸マニアもいたが、ほとんどの人は、もっとカジュアルにバラを楽しんでいた。皆リラックスして、ニコニコとしていた。
おばちゃんたちが、シートを広げて座り、のり巻きを食べていた。
酔っぱらったオヤジが、花を眺められる角度で寝転んでいた。

私の中で、ひとつの考えがひらめいた。

「そうか、バラだろうが何だろうが、『お花見』だから、日本人のお花見スタイルになっちゃうのか!」

ま、別にいいとは思いますが………。

とりあえずバラを眺めることにする。



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