タマちゃんな雰囲気
午後3時、京急線立会川駅ちかくの現場に着くとすでに80人ぐらいのやじ馬がいた。写真撮るひと、釣る人、網ですくう人、写メール送る人。
タマちゃんが出たときの雰囲気に似ている。見に来ている人のなかにタマちゃんも見にいった人がいるに違いない(僕もそうだ)。
空気がゆるい。知らない人でも平気で話せる雰囲気。「あれがボラですか」「ボラらしいですよ」。話しやすいが実のある会話ではない。
網ですくう人が注目を浴びている。あれこれ声をかけられている。
「もっと手前に引かないとだめだ」
「10匹は入れないとね」
いろいろ言われてプレッシャーがかかったのか、うまくすくえずに1匹しか入らなかった。周囲から落胆の声が上がる。
「あー」
かわいそうなお兄さん。
再びチャレンジして5匹ぐらいすくうと今度は歓声が上がった。この一体感はなんだ。
会話あれこれ
あちこちから聞こえる会話は
「まだ小さいから『おぼこ』だな。」(注1)
「25年すんでるけどこんなのはじめてだ。」
「ボラってキャビアになるんだろ?」(注2)
「かわいいねえ」
「うわぁ、きもちわりい」
「こんなにたくさんじゃないけど、ボラならいつもいるよ。」
「食べないんなら かわいそうだからとるなー!」
「こんな川にいる魚、食べる気になるか?」
「ボラは食えるよ」
要はそれぞれが勝手なことを言っている。
注1)ボラは出世魚で、小さいものは「おぼこ」と呼ばれている。幼いことを「おぼこい」というのは、この「おぼこ」が語源になっているらしい。さらに「とどのつまり」という言葉もボラが最後には「トド」になることに由来している。ボラまめ知識。
注2)ボラから取れるカラスミと混同していると思われる。珍味つながり。
タマちゃんほどのポップさはない
下流のほうでは水が汚いせいか、ボラは水面に口を出していた。かなりきもちわるい。
ニフティの周辺では、去年の夏にアザラシがあらわれたり、ボブサップが豆まきにくるなどの異変が続いている。また新たな動きがありしだい報告したい。
(2/7 4:50)
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