今回、母へ電話をかける時間が押してしまった林さん。デイリーポータルZの４周年記念企画で行っていた岩手県から戻るのが遅れたからである。電話をかけると、母は夕食の時間であった。

キーワード1：YouTube

林：ごめんごめん。じゃあ、早速いくよ。
母：そうね。何でも聞いて。
林：じゃあ、まずはYouTubeって知ってる？
母：えっ？　ユーなに？
林：YouTube
母：ん？　ユーキューブ？
林：いや、YouTube
母：ん？
林：YouTube
母：英語かい？
林：そう、カタカナでユーチューブ。知ってる？
母：聞き返すくらいだから知らないわよ。
林：そりゃそうだ。
母：何？そのユーなんとかって。
林：インターネットでテレビとかを勝手に登録して見られるサイトがあって、そういうのがインターネットで流行ってるんだよ。
母：ああ、携帯電話でドラマが見られる、あれ？
林：それとはちょっと違って、もうちょっと勝手にみんながやってるやつで…。

母：そういえば４周年記念見てたわよ。
林：本当に？
母：そう、よし子さん※１が面白いのやってるって見つけてくれて。
林：ずっと見てたの？
母：ううん。夜見て、朝見て。ひどい結果だったわね。
林：夢じゃないと大変だもんね。人とか死んでるし。
母：そうね。そこに住さんもいるの？
林：うん、いるよ。
母：あらまあ、住さんもご苦労さま。

こちらこそ夕食時に申し訳ありません。今後ともよろしくお願いいたします。

※1：林さんの義姉。よし子さんは仮名。

キーワード2：吉野家

林：吉野家は？
母：牛丼のでしょ？
林：そう。
母：１日だけ解禁って言ってたわね。
林：そうそう。
母：でも、今月も何日間かやってるんでしょ。
林：くわしいね。
母：食べたことないけど、あんなこと聞いてると食べてみたくなるわね。
林：俺も食べてみたくなる。
母：食べたことないの？
林：いや、あるけど。
母：八王子で吉野家の前に人がたくさん並んでたわよ。
林：へえー。
母：バスから見えた。
林：どこも凄かったんだね。
母：日にち限定されると食べたくなるのよねえ。きっと。
林：今度食べてみたら？
母：輸入肉だから、ちょっと、ねえ…。

バスの車窓から吉野家フィーバーを実感した母。一度も食べたことのない母には、あのフィーバーはどのように映ったのであろうか？

キーワード3：母の気になる言葉は？

林：逆にお母さんが気になってるキーワードってある？
母：このごろ覚えた言葉があるわよ。
林：何？
母：アイポップ。
林：ん？　アイポップ？
母：音楽が聞けるやつで、ほら。
林：ああ、それ、iPodだよ。
母：そうそう。音楽聞けるやつね。それ、覚えた。
林：覚えてないじゃん。iPodだから。
母：分かった分かった。アイポッドね。

林：そんな俺に気を使った言葉じゃなくて、もっと自分が気になった言葉はある？
母：京都のハンドバック屋かね。
林：ああ、あの、なんて読むか分からないやつ。
母：裁判の結果が出たのよね。長男が勝ったって。
林：へえー、そうなんだ。
母：三男は違う名前で店を始めたらしいわよ。
林：テレビで見たの？
母：そうよ。あのなんて読むか分からないやつ。

キーワード4：ボーダフォン

林：じゃあ、最後のキーワードで「ボーダフォン」。
母：ん？ボーダフォン？
林：うん、ボーダフォン。
母：ああ、携帯電話の機種を同じ番号で変えるやつでしょ？
林：違う。
母：違う？
林：うん。会社の名前だよ。惜しいけど。
母：人じゃなくて？
林：人の名前じゃないよ。ソフトバンクになるっていう。
母：ああ。ソフトバンクになるってCM、テレビでやってるわね。
林：そう、そのソフトバンク。
母：そういえば、八王子の町もボーダフォンからソフトバンクになっていたってよし子さんが言ってたわよ。
林：八王子の町ですべてを知ってる感じだね。

番号ポータビリティとボーダフォンを勘違いしていた母であるが、もう大丈夫である。ボーダフォン→ソフトバンクという図式を八王子の町で実感したようであった。