今月、ネット上でたくさんの人たちから検索されたキーワードについて、母はどれくらい知っているのか? ウェブマスターの林さんが母に電話をかける。キーワードについての母の見解はいかに? アットサーチでの検索結果と対比させてレポートいたします。
(住 正徳)
今宵も母に電話をかける
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いつものように会社の携帯電話から母に電話をかける林さん。私用電話と思われても仕方のない状況であるが、これは「母への取材」という立派な仕事である。林さんが会社から誤解を受けない為に、ここに書かせていただいた。
林「今日はよし子さん※1帰って来てるの?」
母「いるわよ。だから今日は自信あるから」
林「そっか、じゃあ分からない事があったらよし子さんに聞いていいから」
母「そういえば、よし子さんのお父さんもこのコーナーを読んでるらしいわよ」
林「えっ?本当に?」
母「そうよ。だから最近はお父さんまでよし子さんって呼ぶって」
林「ははははは。あのお父さんもネットやってるんだ?」
母「携帯メールもやってるわよ」
林「あんなに体大きいのに?」
母「それは関係ないじゃない」
林「そっか」
母「そういえば、よし子さんの弟さんが結婚するわよ」
林「えっ?よし男さんが?※2」
母「11月に結婚式よ」
林「俺は?」
母「あなたは行かなくていいみたい」
林「そっか」
繰り返すようだが、これは私用電話ではない。世間話しから始めて、いつのまにか本題に入っていく。林流の取材術である。
※1:林さんの義姉。よし子さんは仮名。
※2:よし男さんは仮名。
キーワード1:「冥王星」
林:「じゃあ、最初に、冥王星は知ってる?」
母:「知ってるわよ。今度抜けちゃったやつでしょ」
林:「そうそう、抜けちゃった」
母:「今まで9つだったのが8つになっちゃったんだよね」
林:「そーなの?」
母:「そーよ。あれ、ちっちゃかったのよ、割に」
林:「そーなんだ」
母:「教科書の会社が大変みたいよ。作り直すから」
母:「あと、そうだ。学者たちが集まって決めたらしいじゃない。外すのに賛成の人は黄色い札をあげたんだって。オセロで」
林:「オスロじゃない? それ」
母:「あっ、オスロね」
母:「まあー!おいしそうー」
林:「何?どうしたの?」
母:「テレビにマグロが写ってたのよ。今度マグロ食べに連れてってよ」
林:「うん、じゃあ、今度行こう」
ニュースを良くご覧になっているのであろう。冥王星について色々な事を知っていた母、オセロとオスロの違いなどマグロに比べたら対した事ないのである。
ちなみに、『冥王星』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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気になるキーワードの資料を見ながら電話
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キーワード2:「ハンカチ王子」
林:「ハンカチ王子は?」
母:「斉藤佑樹君。早稲田実業の」
林:「フルネームだ」
母:「最新情報はプロに行かず進学する、ね」
林:「大学行くって言って早稲田じゃなかったら面白いよね。急に立教とか」
母:「そうよね。将来の事考えたら他も受けといた方がいいかもね」
林:「大学入ってからサッカー始めちゃっても面白い」
母:「中学は群馬の方なのよね」
林:「俺に聞かれても分からないよ」
母:「ハンカチで顔拭いて、かわいいじゃない、あの子」
林:「端正な顔立ちだよね」
母:「普通は袖で汗を拭くのに、あの子はハンカチで押さえるようにして拭くのよ」
林:「俺、拭いてるところ見た事ないよ」
母:「それは残念ね」
林:「とにかく、ハンカチ星人じゃなくて良かったよね」
母:「……」
ハンカチ王子の人気はやはり凄かった。王子の人気に一石を投じるべく、「ハンカチ星人」と言ってみた林さんであったが、母には通用しなかったようであった。
ちなみに、『ハンカチ王子』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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キーワード3:「ジョンベネ」
林:「次は、ジョンベネ」
母:「知ってるわよ。殺されちゃったかわいそうな娘」
林:「犯人が捕まったの知ってる?」
母:「でも、違ったのよね。犯人じゃなかったんでしょ」
林:「容疑者の名前は知ってる?」
母:「簡単な名前で小さい人よね。カー・なんとか? なんとか・カー?」
林:「惜しい」
母:「ジョン・マーク・カー?」
林:「あっ、よし子さんでしょ?」
母:「うふふ。分かっちゃった?よし子さんがネットで調べてくれたの」
林:「なんとか・カーだとパトカーみたいだもんね」
母:「はははははは(爆笑)」
林:「あっ、こんなんでいいんだ。ハンカチ星人とかじゃなくて」
林:「カー容疑者の服装で気になるところある?」
母:「変な半袖着てて、いやにさっぱりしてるわよね」
林:「ウエストの位置とか気にならない?」
母:「スラックスの履き方?」
林:「あ、そうそう。ズボンっていうよりスラックスだよね」
母:「洋服の着方が女性っぽいのよ。あの人」
林:「なるほどー」
母:「女の人がスラックスを履いてブラウスを中に入れてる感じよ」
林:「少し前の女性っぽい着方なんだ!」
母:「10年前に私もそういう格好してたわよ」
林:「そうだっけ?」
母:「今は体型を隠したいからそんな着方しないけどね」
林:「10年前とそんなに変わってないじゃん」
母:「そう言われればそうね。雄司が小学生の頃にはいてたスカート、今でもはいてるしね」
母ならではのカー容疑者のファッション・チェックであった。林さんはカー容疑者のウエストの位置だけに注目していたが、母はカー容疑者の全体を見ていたのだ。
ちなみに、『ジョンベネ』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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カー容疑者の服装について母と語る
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キーワード4:「Google」
林:「Googleは知ってるかな?」
母:「ぐーぐる?」
林:「そう、グーグル」
母:「ああ、ちょうど今よし子さんが見てるみたいよ。画面を見せてくれた」
林:「検索出来るんだよ」
母:「法事の案内の書き方とかでしょ」
林:「またピンポイントになんで?」
母:「今、画面に出てるもの。へえー、凄い! 便利ねえー」
母:「これは話題の事しか載ってないの?」
林:「そんな事ないよ。昔の事も載ってる」
母:「へえー、ほぉー。よし子さんがいて良かったよ」
林:「ところで、今日の晩ご飯の当番はどっち?」
母:「私よ。八宝菜とブリのカマ」
林:「えっ?またブリカマ?」
母:「またって、前も言ったかしら?」
林:「うん、言ってたと思う」
母:「肉だんごじゃなくて?」
林:「肉だんごもあったけど、ブリカマもあったよ」
※電話後、過去の記事を調べたがブリカマの登場は今回が初めてであった。母の方が正しい。
母:「ブリは身よりカマの方がおいしいじゃない」
林:「そう?生臭くない?」
母:「塩水で洗ってから焼けば大丈夫よ。身は一匹からいくつも取れるけど、カマ一匹に2つだけだしね」
林:「えっ?1つじゃないの」
母:「真ん中で割くから2つよ」
林:「へぇー、知らなかった」
ここから電話の内容はブリカマがいかに素晴らしいか、という話しに移行して行った。検索キーワードとは関係のない方向に向かってしまったので、今回はこの辺でおしまいにいたします。
また、来月! |