今月、ネット上でたくさんの人たちから検索されたキーワードについて、母はどれくらい知っているのか? ウェブマスターの林さんが母に電話をかける。キーワードについての母の見解はいかに? アットサーチでの検索結果と対比させてレポートいたします。
(住 正徳)
いつものように母に電話をかける
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この日はいつもよりも少し早い時間帯に電話をかけた。今までは夕食の準備時間と重なってしまっていたのだ。検索キーワードによって母の生活が脅かされるような事があってはならない。5回目にしてようやく気付いた。
林「最近は特に変わりない?」
母「面白い話があるわよ」
林「えっ? どんな?」
母「私、自分で自分を閉め出しちゃったのよ」
林「ん? どういう事?」
解説しよう。
先日、母はベランダに自分を閉め出してしまったのだ。ベランダに出て網戸を勢い良くしめたら、そのはずみで鍵がかかってしまったという。ヘアピンで鍵穴をいじってみたが全く開く気配がない。途方にくれた母であったが、運良くズボンのポケットに携帯電話が入っていた。家の近所で働くよし子さん※1に電話をかけて帰って来てもらい、事なきを得たとの事であった。
林「それ、近所の人に見られたら、虐待されてるって勘違いされるね」
母「部屋の中の猫に、開けてって言ってみたけどダメだったわ」
林「そりゃ、そうだ」
林「じゃあ、最初のキーワードいくよ」
※1
林さんの義姉。よし子さんは仮名。
キーワード1:「ジダン」
林:「ジダンは知ってる?」
母:「サッカーの頭突きした人でしょ」
林:「そうそう。知ってるんだ」
母:「あの人の銅像が出来たって聞いたわよ」
林:「えっ、本当に?」
母:「坊主の人でしょ。きっとそうよ。住さんなら知ってるんじゃない」
それは僕が坊主頭だからであろうか。同じ髪型だからきっとジダンの事を詳しく知っているはず、そう思われたのかもしれない。
しかし、僕はジダンの事をあまり知らない。
ちなみに、『ジダン』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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キーワード2:「ジョニー・デップ」
ジダンに引き続いてのキーワードは「ジョニー・デップ」。外国人の名前二連ちゃんである。
林:「じゃあ、次はジョニー・デップ。知ってる?」
母:「ジョニー、何?」
林:「デップ」
母:「ん? ジョニー・デップ?」
林:「そう、ジョニー・デップ」
母:「知らないね」
林:「全く?」
母:「パソコンに関する事でしょ? そういうのは分からないわ」
林:「いや、パソコンじゃないよ」
母:「ゲーム?」
林:「人の名前だよ。多分、アメリカの俳優だと思ったけど」
母:「それじゃあ、分からないよ。映画もそんなにみないしね。昔の人だったら分かるわよ」
林:「どれくらい前の?」
母:「50年くらい前なら」
林:「それ、凄い昔だね」
ちなみに、『ジョニー・デップ』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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キーワード3:「たらこキューピー」
林:「たらこキューピーはどう?」
母:「たらこキュウイ?」
林:「いや、キュウイじゃなくてキューピー」
母:「たらこ味のキューピーマヨネーズかね?」
林:「僕も良く分からないんだけど、キューピーちゃんがたらこに包まれてる人形らしいんだよね」
母:「あれかね? パンダの耳が赤い奴がいっぱい並んでるCMの」
林:「パンダ?」
母:「新聞の広告に載ってたよ。赤いパンダ」
林:「それは違うんじゃないかな。パンダじゃなくてキューピーだから」
母:「新聞探してみようか?」
林:「いや、そんなの引っ張り出さなくていいよ」
赤いパンダのCMって何だろうか。たらこキューピーが沢山並んで行進しているCMは知っているが、赤パンダは見た事がない。ご存知の方がいたら編集部までご一報いただければ幸いである。
ちなみに、『たらこキューピー』のアットサーチでの検索結果はこちら。
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キーワード4:「お台場冒険王」
林:「じゃあ、最後ね」
母:「えっ? もう最後?」
林:「そう、最後」
母、少し不服そうである。
林:「お台場冒険王って知ってる?」
母:「夏休みの子供たちがお台場に行くやつでしょ」
林:「知ってるじゃん」
母:「えーっとね、ゆりかもめ1日券とゲームの手引書がセットで大人1300円、子供900円ね」
林:「何か読んでるでしょ?」
母:「あらバレた? 新聞にちょうど載ってたから。花火の日はやらないって」
母、カンニングである。
林:「母さんってお台場行った事あるの?」
母:「26才頃に行ったわね。築地から船に乗って」
林:「えっ? それ何年前よ?」
母:「えーと、……47年前ね」
林:「そんなに昔の話?」
母:「何にもなくていい所だったわよ。あっ、砲台があったかな」
林:「何しに行ったの?」
母:「散歩」
林:「船に乗って?」
母:「そうよ、猿島にも行ったわね。楽しかったよ」
林:「そんなに島好きだったんだ」
母:「帰りの船の時間が決まってて、遅れると帰れないのよ」
47年前にお台場に行った事がある、という驚愕の事実が判明した。都電に乗って築地の端まで行き、そこから船でお台場を目指したという。まさに、お台場冒険王。母が島好きだった事が分かった今回の電話対談でした。 |