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コネタ


コネタ967
 
ヒトデのがんばりを見つめる
今年もがんばろう!

 いよいよ始まった2006年、新しい年を迎えて、今年もがんばろうと思いを新たにしている方も多いと思う。新年ならではの新鮮な気持ちだ。

 ところでヒトデって、ひっくり返すと自力で元に戻る。

 話がどうつながるかというと、がんばっている人を見ると自分もがんばろうという気持ちになるということだ。ヒトデは人ではないけれども、元気が出るなら細部にこだわらなくていい。

 がんばるヒトデを見て元気を出そう。新年にふさわしいアプローチでヒトデを見つめてきました。

(text by 小野 法師丸

狭い視野で訪れるシーワールド

  今回ヒトデ観察に訪れたのは、千葉県・鴨川市にある鴨川シーワールド。イルカショーでも人気を博しているが、様々な海洋生物を飼育するなど、海に関してかなりハイレベルな技術をもった施設だ。

 ただ、今回見に来たのは主にヒトデです。


個人的には35周年と関係なくヒトデ

 見に来たのがヒトデとは言え、たくさんのチャーミングな生き物たちについ目を奪われてしまう。

相変わらずフリーダムなタコ
うつろっぷりに心なごむペンギン

 魅力的な生き物たちにいちいち足が止まってしまう。別にヒトデなんか見なくても、タコやペンギンたちで普通になごんで元気が出てきそうだからもう帰ろうか。

 いや、そうはいかない。ペンギンはあまりがんばっているようには見えない。今回向かうべきはヒトデコーナー。


ヒトデの闇を覆うかのようなカラフルな文字
南国風のさわやかさに潜むはずのヒトデ

 施設の案内によると、ヒトデがいるのはトロピカル・アイランドなる一角らしい。個人的にはヒトデからはトロピカルもアイランドも連想しないのだが、ここではそういうくくりになっている。

 ヒトデのくせにずいぶん優遇されていると思いつつ、ヒトデコーナーをのぞいてみる。


ちょっとしたフィーバー

 うん、いいね。あられもなくヒトデ。

 形状やカラーリングに変化のあるサービス精神もうれしい。それでいて個々をじっくり見つめると、ヒトデという生き物のやばい感じも際立ってくる深さもある。ゆかいで楽しいだけでは終わらせないヒトデたち。

 

実力を見せつけはじめるヒトデたち

 さて、そのがんばりを見つめるというテーマで訪れたヒトデコーナー。最初にエントリーするヒトデはマンジュウヒトデだ。


これが本物の饅頭だったら相当やばい
裏返した感じもけっこう意外

 「饅頭をどうぞ」と言われてこれが出てきたら、かなり引くであろうマンジュウヒトデ。裏にしたときの様子も予想外でびびる。その名の通りかなりコロコロとしているので、元に戻るのは難しいのではないか。


「実は…」

「今まで言えなかったんだけど…」

「お、おれ…」

「お前が好きだー!」

 裏返して間もなく、思った以上の速さで元に戻ろうとするマンジュウヒトデ。たまたまひっくり返ったところに別のマンジュウヒトデがいたので余計なドラマも見えてきたが、このアグレッシブさは自分の中にあったヒトデ観をくつがえすものがあった。


マンジュウヒトデ:やる気あり

 

ヒトデ界にも無気力化の波が

 順調な滑り出しを見せたヒトデのやる気。マンジュウヒトデに元気をもらったところで、さらなるエントリーを紹介していこう。


やる気ありそうなカワテブクロ選手
マンガチックでもあるイトマキヒトデ選手
期待は高まるのだが…
柔軟性もありそうだが…
やる気のなさにセコンドがタオル投入
1ラウンドTKO

 どんどんめくれていくヒトデたちを期待していたが、結果は甘いものではなかった。じっと見つめているにも関わらず、ほとんど微動だにしないヒトデたち。やる気のなさに、さっきもらった元気もしぼんでいく。

カワテブクロ・イトマキヒトデ:やる気なし

 

 どうしたんだよ、ヒトデ。お前、もっとできるはずだろ!

 ヒトデに元気をもらいにきたはずの私なのだが、いつしかヒトデを励ます側になっていた。しかし、応援むなしく、だらしないままのヒトデ。こんなはずではなかったのだが。

 

ヒトデ界のアイドル登場

 ヒトデ界にも蔓延していた無気力化の波。動かないヒトデをじっと見つめているだけでは、2006年も暗いままに終わってしまいそうな気がする。このままではまずい、がんばってくれよ。

 そんな望みを託してエントリーしたのが、アオヒトデ選手。


のびのびと海に生きるアオヒトデ
青とのコーディネートが美しい黄色の裏側

 細身の体つきだが、エントリーしたヒトデの中で最も人っぽく見えるアオヒトデ。裏返しにしてしばらく見ていると、変化が起きてきた。


「おお!久しぶりじゃん、元気?」

「俺?見ての通り、ヒトデだよ」

「かっこいいだろ?ヒトデにしては」

「泣きたい夜もあるけどね」

 ゆっくりと体をくねらせて元に戻ろうとするアオヒトデ。本人は必死なのかもしれないが、いちいちセリフをつけたくなる表情もある。きみ、人気出ると思うよ。


ミッション完了

 元に戻って「おつかれさーん」といった風もあるアオヒトデ。単純にがんばりを見せるだけでなく、人間味まで出してくるとは相当な役者だ。このままビールでも飲みだしそうな感じさえする。


アオヒトデ:やる気あり・フォトジェニック賞

 

 いろいろあるけど、がんばろう。アオヒトデを見ていると、自然とそんな気持ちになってくる。

人の力に頼るコブヒトデ

元気の出し方人それぞれ

  ヒトデを見て元気を出そうという今回の試み。どうだろう、がんばったりがんばらなかったりするヒトデをご覧になって、元気が出てきただろうか。

 上の写真はコブヒトデ。このヒトデもひっくり返して様子を見ていたのだが、あとから来た家族連れのお父さんが「あーあー、直してやろうね」と言いながら元に戻してしまった。

 裏側になったせつなさで人の情をほだす。そういうやり方もあるのだろう。

 元気なんかちっとも出てこないという方は、最終的には本人の気の持ちようなので、なんとかがんばってみてください。


 

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