(text by ライスマウンテン)
月餅をコンビニでよく見かけるが、あれは中国の本家月餅と比べてどうなのか?
中国に出かけるときにam・pmで売っていた山崎製パン製の月餅を持っていくことにした。壊れないよう、念入りにカバーしたのだが、中国に着き、月餅はというと
かなり気合を入れて守ったつもりだったのに、このザマだ。ちょっとの圧力にさえ屈した、やわらかな月餅。頑強に月餅専用に入れておけばよかった。まあいいさ。潰れたって、味や色や体積はかわりっこない(はず)。
さて気を取り直して中国の街で、リアル月餅を採取しに行こう。しかしいくら探しても見つからない。聞くとシーズンオフなんだそうで、月餅は中秋の名月の頃にしか食べれないそうなのだ。でん六の節分用の豆か?来年の中秋の名月まで9ヶ月もヤマザキの月餅を保存しろというのか。それで味比べはアンフェア、というよりやりたくない。
救いの手はあった。日本人旅行者向けの旅行会社が月餅を常時旅行客向けに用意していた。現地人が食すものではないので、厳密には本家となりうるか微妙だが、この際そんなことは言っていられない。これとヤマザキの月餅と比較することにした。
中国人の知り合いがこれを見てツッこむ。
「本物はね〜、もっと大きいよ」
げ。どれくらい大きいのさ。
「4等分してこれ一個くらい」
でかいじゃないか!
どうやら土産専用らしい。いいや、本物は買いようがないのだから。
裏にはどちらも賞味期限が書かれている。日本のは約2週間。中国のは30日。本家中国が勝ちなのか負けなのかわからない。
中国の月餅の表面には味が書かれているが、日本の月餅には「月餅」と書かれている。寿司のネタを全て「魚」の一言で言い切ってしまうようなものか。あ、玉子は魚じゃないか。
味は三種類。黒あん、白あん、そして椰子が入ったあんこの3種類。だったら8個パッケージじゃなくて9個にしてくれればいいのに。
食べてみよう。
中国の黒あん、白あん、椰子あん…異国の味だ。
文字通りの味だが、黒あん、白あんとも風味が微妙に日本と違る。日本のあんこと中国のあんこを見極める「利きあんこ」があれば正解する自信あり。
一方で日本の月餅はというと、
!!!
うまい。
中国人が食べてうまいというかといえば微妙だ。というより、中国の月餅を食べた後では日本の茶菓子のようだ。渋い茶が似合う。
さすがヤマザキ。
余談だが食べる前に、月餅が8個入りだったので、積んでみた。
字が描かれた上部が平らでないため、30分戦っても月餅8個をトーテンポールにできず。