同志たちとの出会い
不幸中の幸いだったのが、私一人でやるわけではなく、他にも、まんまと詐欺被害にあわれた方々が数人参加なさっていたということです。
私が教室に入るなり、被害者の会のお一人がかけよってきて、
「本物の漫画家さんですかっ!?」
と声をかけてくださいました。失神して泡でもふこうかと考えました。
マンガ家にまちがえられるというのは、いったいどういうことでしょうか。顔立ちがマンガレベルということでしょうか……複雑な心境ですが、ガキにバカにされないようにとベレー帽のようなものをかぶっていたのが災いしたのかもしれません。
被害者の方は、あまりにも目をキラキラにして、何か私に救いを求めているようでしたが、
「いやーもうぜんっぜん!生まれて一度も絵を描いたことはありません」
とわかりやすいウソをついておきました。こちらもまた複雑なお顔をしていらっしゃいました。 |