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コネタ


コネタ847

 
ゴミ袋(45リットル用)、本当に45リットル分のゴミが入るか?
僕が普段家で使っているゴミ袋。

今回の主役はゴミ袋です。

ゴミ袋はお店で買うと必ず『○○リットル用』と記載されている。右の写真のものだと45リットル用。
僕はゴミ袋を買うたびに本当にこの中に45リットルものゴミが入るのかな? と疑ってしまう。

だって、45リットルって(両手を広げて)こんなだよ、こんなサイズ。

例えば1リットルでも入る容量が少なければ人生において莫大な量の『リットル』をごまかされている事にはならないか。

調べてみる事にした。

梅田カズヒコ

検証方法

45リットルのゴミが入るという事は45リットルの水が入るという事である。

と、言うわけで

〔用意したもの〕

・ゴミ袋
・1リットルのペットボトル

以上である。これでペットボトルで水を汲み、45リットルの水をゴミ袋に入れ、ギュッと口を縛る事ができればこの表示は本物、できなければ偽物という事になる。
非常に単純かつ、簡単そうな実験だ。

さあ、白黒はっきりつけよう! 


水が大量にある場所、浜離宮にて。
ペットボトルで水を汲みゴミ袋の中へ。

 

ちなみにこれが1リットルの水を入れたゴミ袋。当然だが、入る。

水がある場所へ移動

とりあえず水がある場所という事で、なんとなく浜離宮にやってきた。

この日の関東地方は雨。寒い。作業中はさすがに傘をさす事もできず、雨で服がびしょ濡れだ。
早めに実験を行って早く家に帰ろう。

さっそくペットボトルを水につけゴミ袋の中に移していく。これを45回繰り返すだけだ。楽勝だ。これはすぐ帰れるかな、と思った。しかし……。

 

事件発生!

 

 

ゴミ袋が破けやすい事を忘れていた

……。なんだか足元が妙に濡れるな、雨のせいかな、と思っていたら水がちょろちょろあふれだしていた。

そうか、ゴミ袋って破けやすかったんだ。すっかり忘れていた。

その後も、水を2,3リットルいれるたびに……


破ける。

どうやら実験をした場所が悪かったようだ。浜離宮の水辺はごつごつしていてただでさえ破けやすいうえに、ゴミ袋が水の重さによってたやすく破れてしまう。

その後も違う場所で試したりしたが、すぐ破けてしまう。

ますます強くなる雨。ここはいったん屋根のある場所に退避して、作戦を練ったほうがよさそうだ。


浜離宮の水辺。ごつごつしている
浜離宮の入り口でもらったパンフレットが雨でびしゃびしゃ。

 

結局この日はそのまま帰宅

明日必ずリベンジする事を誓い、この日は帰宅。今日の反省点をまとめてみた。

 

なぜうまくいかなかったのか

・ゴミ袋が予想以上にもろかった。
・公園が予想以上にごつごつしていた。
・雨が予想以上に降ってきた。
・つまり、すべてが想定外だった。

 

うちのゴミ箱

明日に向けていろいろ考えてみた

結局すべての読みが甘かったようだ。簡単な実験だと思いすぎていたようだ。

と、家のゴミ箱を眺めてみる。そうか、そもそもゴミ袋とは、ゴミ箱とセットで活躍するのか。

ゴミ袋をゴミ箱の中に入れたまま実験をすればうまく行くのでは? そう思った僕は、翌日以下のものを用意した。

〔用意したもの(バージョン1.2)〕

・ゴミ袋
・1リットルのペットボトル
・ゴミ箱
・雨具(ここ重要)

これで明日、河原に行こう。これなら……

ゴミ袋が破けやすい→ゴミ箱に入れたまま実験で解決。
浜離宮がごつごつしていた→河原で大丈夫。
雨が予想以上に降ってくる→雨具で完全防備。

完璧である。

 

翌日、多摩川に着く完全防備の人

完璧だ。雨がふってもへっちゃらだ。人間は成長するんだ、昨日の僕と今日の僕は別人だ。さっそく水を汲もう。

 

水を汲む白い人。

しかし、雨、あがる

実験開始と同時に雨があがってきた。なんのために雨具を着たんだ。

河原の土手を歩く人がこちらを注意深く見ている。
後から気づいたのだが、どうやら真っ白な格好をした人が一人で河原でゴミ袋片手に水を汲んでいると何か不思議な雰囲気のようだ。

 

気を取り直して実験再開

実験スタート。
10杯め(10リットル)。
20リットル
25リットル。もうぎりぎり。

雨上がりの川の水は濁っている。灰色の水を汲む僕。どこかの水質検査員のような気分だ。
昨日は3リットルもいれないうちに破けていたが、今回は破れる事なく順調に進む。ゴミ箱を一緒に持ってきたおかげだ。

しかし、20リットルいれた時点でもうすでにゴミ箱からあふれだしそうだ。本当にあと25リットルもこの中に入るんだろうか。心配になってきた。

でもゴミ袋はもう入らないだろう、と思ってからギュッギュッと押し込んでけっこう入ったりする。ゴミ箱から取り出せば容積はまだ増える。まだどうなるかわからない。

20リットルを越えた段階からかなり水を足していくのが難しくなってきた。

1リットルづつ細かく測ってきたから、水が漏れたりしたらまた最初からやり直しだ。それだけはいやだ。

しかし、25リットルを越えたあたりでまた無情にも……


一瞬の隙をついて漏れる水。じょぼじょぼと流れて失敗してしまいました。

 

実験失敗!

実験は一瞬の隙をついて流れる水のおかげでどうもうまくいかない。しかし、発想を変えてみれば、この、どうもうまくいかない事こそが実験結果であり、このゴミ袋に45リットルの容量のものが入らないという事の証明ではないか。

とにかくこのまま引き下がれないので、このゴミ袋を販売する業者の方に電話で聞いてみた。

「すみません、今インターネットの企画で45リットル用のゴミ袋に45リットルの水が入るか実験して居るんですが、どうも入らないんですよ」
「お宅はどちらの都道府県の方?」
「東京都です」
「東京都ね。あれはなぜ45リットルって書いてあるかと言うと、都の条例で65×80cmのものを45リットルだとすると条例で決まっているからなんですよ。」
「あ、そういう事なんですか」
「だから大きさに関してのクレームだったら都にお願いしたほうがいいですよ」

なるほど。あの45という数字は東京都が定めた数字だったのだ。では、都に電話してみようか? たらいまわしにされそうなので今日はやめておいた。

二日越しでもうまくいかず。

家に帰ってから考えた。そもそも僕らが生活しながら出すゴミは、プラスティックや、ビニールなど軽い物が多い。軽い固形物で実験したほうがいいのか、と思った。

僕はたまにミネラルウォーターを買っているのでミネラルウォーターのペットボトルの空の容器を潰さない状態で45リットル分はいるかどうか試してみる事にします。でも、今のところ45リットル分の空のペットボトルがないので、準備ができ次第、制作日記あたりでひっそりと公開する事にします。何ヶ月先の話だろうか? がんばります。


 

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