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性感染症検査に行ってきた

 社会の陰で徐々に拡大する恐怖、性感染症。 特にHIVの感染率の増加は欧米と比べてあまりよくない感じだそうです。

   そんな背景を受けて、多くの病院や保健所での、HIVなど特定の性感染症についての検査は「匿名!無料!予約不要!」と大変利用しやすい形となっています。

 日本社会で感染率が上昇していると言うことは、もしかしたら僕も感染しているかもしれません。 というわけでHIVの感染症検査を受けてみました。

(text by 藤原 浩一

*注意*

  • 検査の様子は当然ながら写真が撮れませんでした。
  • 「性交渉」という言葉は僕にとってなじみがないので、全て「ぱやぱや」と表記します。
  • まったく関係ありませんが、僕が好きな詩は高村光太郎の「道程」です。

関係ありませんが、「手」です。

 

行ってきた。

 受付で検査を受けたい旨を伝えると、申込用紙にいくつか記入することを求められた。
書くことは、

  • 性別
  • 年齢
  • 受けたい検査の種類
  • 感染症にかかったと思われるぱやぱやは何ヶ月前のことか

 これだけだった。匿名なので名前を書く必要は、もちろんない。

 が、最後の項目を書くのに僕はものすごく躊躇していたら、受付をしていた女性が「これはですね、その感染症にかかったときから3ヶ月たっていないと、検査をしても正しい結果がでないんですよ。ですから、『3ヶ月』と書かないと検査は受けられません。そういう意味の項目です」と言ったので、僕は「それは3ヶ月前のことでした」ということで、用紙に記入した。

 3ヶ月前か・・・。


この写しと交換で検査結果をもらえるようです。


 申込用紙を書き終わる頃に、後から、僕と志同じく性感染症検査を受けると思われる男性が来た。ライオンのたてがみのように雄雄しく立った金髪と、小麦色の肌、オサレっぽい服の3拍子揃ったやんごとなきイケメン様だった。超自由な感じの。

 ロンドンの大手コンドームメーカー「デュレックス」が世界41カ国のぱやぱやに対する調査を行った結果、日本人が1年間に行うぱやぱやの回数は、平均46回だそうで。「あのイケメンとオレのぱやぱや回数の平均を出したら、そうなるか」と思った。いや、もっといくか。いくよな。イケメンだもんな。

 僕の人生の中で、絶対に同じような境遇になることはないな、と思っていたイケメンと、今ここで、このようなところで出会うことになるとは。彼は順走、僕は逆走、トラックの果てで巡り会った、運命を共にする2人であります。

 用紙を書き終わると、「2」と書かれた縦長の札をもらい、指定された部屋の前に行く。しばらくすると「2番さん」と呼ぶ声が部屋の中からしてきた。このとき初めて「匿名」というのを意識した。今僕の名前は「2番」。サイボーグ009で言ったら、鼻の長いヤツだ。とにかく今ここには誰も僕の名前を知る人はいません。


これは後で作ったもの。本物は厚紙でした。

 部屋に入ると、中には事務用の机があって、その上には採血用の注射器やらなにやらが並んでいた。

 どんなことが起こるのかとどきどきしていると、誘導されるままに「こちらの台に腕を置いて…」から始まる一連の流れで採血。注射器で2本分の血をすいすいっと抜いて、終了。

 「この注射器は1回ごとに使い捨てですからね、心配することはありませんよ。」そんな話を聞いている間に終わってしまった。性感染症の検査だからって、あんなことやこんなことはやはりないですね。

 検査結果が出る日にちを伝えられたあと、HIVに関する資料を頂いて部屋を出た。それでおしまいである。なんていうことはなかった。


ただの血液検査でした。

 

検査を終えて

 HIV検査というのは、とどのつまり、血液検査でした。しかも匿名で受けられます。行ってみた方がいいかも、と思ったときには、まったく怖気づく必要はないようです。

 検査の結果はまだわかりませんが、今になって冷静に考えてみると、そのー、性感染症の感染経路が、僕の人生において存在しなかったような気がしないでもない。まさかそんな・・・。帰って、頭を冷やしていろいろ考えよう、今後のこととか。

 以前、1000人の女性とぱやぱやしたという男性と会って話したことがある。彼は性感染症検査について、「やらない。やったら多分何かにかかっている気がするから。それが検査でわかっちゃったら、もうぱやぱやできないじゃん?」と仰られていた。愚かなっ!

 不特定多数の人間とぱやぱやするということは、それだけ性感染症にかかるリスクも増大します。一度かかってそれを続ければ、それを他人にうつす、加害者側にまわることになります。それって人を傷つける行為ですよね。

 まず、はじめにコンドームを避妊の道具としてではなく、性感染症予防の道具として考えるようにしてみてください。そして、もし性感染症にかかっている恐れがあるなら、ためらわずにとっとと検査に行きましょう。そのようなことが、もらった資料には書いてありました。

 そんなわけで皆さん、引き続き安全で幸せなぱやぱやライフをお送りください。僕抜きで。


 

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