コネタ775
中華料理でおなじみの、中華おこげ。 外で食べるもの、というイメージが強いのかひんぱんに食卓に並ぶ料理ではない。
それもそのはず、近所のスーパーに行っても中華おこげ用のおこげはなかなか売っていない。
しかし、おこげの代わりにかみなりおこしを使ってもおいしいよ、という話を電車に乗っている人が話していた。微妙だな、と思いつつも不覚にもその時、「やってみよう」と心の中で思ってしまった。
だから試してみる事にする。
(梅田カズヒコ)
材料を調達。
かみなりおこしを買うためさっそく浅草雷門へ。実はこの取材の日まで知らなかったんですが、雷門の近くで売ってるおこしだからかみなりおこしという名前なんですね。
かみなりおこしで中華おこげにするとうまいと聞いたけど本当か、と店の人に問うと、「さあ、聞いた事がないねー」 と怪訝そうな顔。
まあ見ておけ。絶対うまいんだから。
中華料理用のおこげも手に入れよう。
食べ比べるために本物のおこげも買っておかなくては。 普段おこげなんて買った事がない筆者。近所のスーパーをまわっても売ってません。仕方ないので中華食材の専門店に行ってきました。
輸入物の中華食材ってどこか少しいかがわしい雰囲気があって、そこが魅力的ですよね。 中華好きとしては陳列された食材が興味深げだった。
かみなりおこしがいけるというのなら他のものでもおこげのかわりに為りうるのではないか。そう思った僕はおこげ、かみなりおこしの他にポテトチップスとあげもちを用意した。 かみなりおこしは食べやすいサイズに割って、おこげは油であげた。準備はばんたん。今から僕の夏の最後の実験(調理)がいま始まる。
絶対うまいのを作ってやるんだから! (さっきから何への対抗心なんだろう)
さくさくいきますよ。
というわけでこれが完成した、かわりダネ中華おこげたちだ! 男の料理バンザイ!
見た目は特に違和感がないとおもうのだがどうだろう。順番に試食してみよう。
まずは普通の中華おこげを食べる。
まずはおこげ本来の味を確かめるため本格中華おこげを使用したものを試食。
あんをかけるとあげたてがパチパチうまそうな音がしました。実際の味のほうは……
うまい。外食の味が自宅でできている。 これからはひまな時は積極的に料理をしようと思わせてくれる味だ。うまいぞ、やればできるじゃないか、おれ。
そしてこれが本日のメインディッシュ、中華おこしだ。食欲を増進させるため赤や緑のかみなりおこしも使ってみたのだが、なんだか不思議な光景だ。僕にはなかなかおいしそうに見えるのだが、皆さんの目にはどう映っているのだろう。
おそるおそる食べてみる。はむ。
あれ、意外においしいぞ。なんでだろう。甘っとろい感じになるのではと思っていたのだが、油であげてない分意外にあっさり味だ。逆にちょっとした甘みがアクセントになっている。うそっぽいけど、本当だ。 あれ? なんでうまいんだろう? なんて考えながら一口、二口、しまいには全部食べきってしまいました。 味もさることながら、ちゃんと料理になっているのに驚いた。なんか不思議な気分。
中華ポテチ
おこげのかわりにポテトチップスを使った中華ポテチ。
貧乏創作料理はポテチを代用する事に始まり、ポテチを代用する事に終わる。と、誰もいってないが、ポテチはとにかくさまざまなものに使える。
味のほうは、まあまあおいしいんだけど、これはおかしの域を脱してない感じがするな。なんか下世話な味がするんだ。なんて書いたらえらそうかな。
中華あげもち
今回の変わりダネ中華おこげの中で一番おこげに近い代用品だと思う。
あげもちもおこげも米が原料だし揚げてある事にも違いない。 きっとうまいのだろう、と思って食べてみると。
………。
とろとろしたあんとサクサクのあげもちが、お互いの食感を殺し合ってる気がする。食べられないわけではないが、まずいというわではない。
たくさん食べようと思えばやはり中華おこげが一番だ。中華おこしもうまいがなんだかメインディッシュになれる器ではない。しかし、中華おこしは間食的な意味では十分にありだろうと僕は考える。
中華おこしにアツアツのあんをかけるとしゅわしゅわ香ばしい音と香りがしてうまいんです。うそだと思うんだったら、いっぺん試してみてください。 あんを多めにかけてみるのがコツですよ。