到着してはみたものの、変わらぬ雨模様。ラジオ体操はどう見ても中止だ。
ただ、最終日なので参加賞の配布はあるようだ。ポリ袋にいくつもの詰め合わせが詰まっている。うっすら見えるお菓子に心を奪われつつ、最後の一押しへと向かう。
地域の人にカードを見せて頼んでみたところ、少し戸惑われながらもサインを頂くことに成功。
ついに10個目。最後にラジオ体操をしないという不完全燃焼状態ながら達成。眠気と闘いながら自転車をこいでは舞い続けた日々が走馬灯のように甦る。
僕がそんな感慨にふけっていると、地域のおばさんが声をかけてきてくれた。
「今日は残念だったわね。コレ、どうぞ。ご苦労様。」
手渡されたものは、参加賞の袋だった。
実は、地域のスタンプを集めて前日に提出しておいた人たちが列を作っていたため部外者である僕は半ば諦めていたのだ。
僕が、いいんですか?と尋ねると、おばさんはただ、優しい微笑みを浮かべて去っていった。
ラジオ体操の神様は女神だった、おばさんの姿をした。
ありがとう、おばさん。
ありがとう、みんな。
ありがとう、ラジオ体操。
ありがとう、スタンプラリー。
ありがとう、夏。
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