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コネタ


コネタ754
 
多摩川飛び地めぐり
タマちゃんがいた川です。

多摩川は東京と神奈川の県境を流れている。

だが、地図を見ると境界線は川の流れに沿ってないのだ。境界線が蛇行して、川沿いに飛び地を作っている。

飛び地、そのストレンジな響きにつられて、多摩川沿いの飛び地をまわってみました。

林 雄司

田園調布で見るべきものはでかい家ではなくて飛び地です。(地図


マウスオーバーでカクカクした境界線が見えます

一歩ごとに県がかわる場所

まずは田園調布ちかくの多摩川。境界線がジグザグになっていて飛び地がたくさん発生しているのだ。

陸続きになっていれば、そこを歩くだけで一歩ごとに神奈川と東京が入れ替わるのだ。東京・神奈川・東京・神奈川って。考えただけでわくわくする。巨人になったみたいだ。

ただ、地図によって陸続きだったり中洲だったりするのが気になる。

 

中洲でした

いってみたが、どう見ても中洲。残念だが対岸から飛び地を眺めることにする。あの島が東京と神奈川が入り混じっているのだと思うと……、感慨深い、かな。

うん、感慨深いぞ!

河口部にあるすごい飛び地2箇所(地図

このあたりかな。携帯で地図を見てみると…。

次はすごいぞ

次は羽田に近い河口部。川はまっすぐなのに境界線だけ蛇行している。なんでこういうことになったかというと、

1.かつて多摩川は蛇行していた
2.それにあわせて境界線を決めた
3.ところが川は治水工事でまっすぐに
4.蛇行した境界線だけが残った

ということらしい(京浜河川事務所のホームページに昔の流路が載っていました)。

東京側の飛び地、A地点から訪問します。

地図で見ると大師橋のふもとに神奈川が出張してきているようだ。そうと思われる場所でGPS携帯で現在地の地図を出してみる。

おお、目の前の川原がそうだ。

ちょうど県境にはビニールで作った家に住んでいる人がいた。

目の前が飛び地だ。

じゃーん。ここが飛び地です。キャッホー。マウスオーバーしてね。

飛び地近くの羽田神社の絵馬。一富士、二鷹、三ジャンボ。

橋の工事現場にあったささやかな天気予報。「はずれてもゆるしてね〜」

土手の景色。体操を始めてしまった飼い主を不安そうに見つめる犬。

3か所目、B地点

橋を渡って3か所目。神奈川県にひっそりと存在する東京に行ってみよう。

土手沿いをGPS携帯で地図を確認しながら歩く。すぐに飛び地の前についた。GPS携帯って便利だ。

ここだけ東京都、という目印があったりしないものかと思ったが、なかった。入ろうかと思ったけど葦が生えていて湿地っぽかったので、やめた。

 

えーと、あ、ここだ。

すごい飛び地っぷり。マウスオーバーしてください。


地図の上の話か

飛び地も住宅街であれば地番表示などで興奮できるが、川原だとただひたすらに草ぼうぼうだ。

しかし、川のような自然のものが形を変えていて、境界線という後から決めたものが残っているというのはちょっと面白いですね。

「飛び地に歴史あり」だな。

 

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