沸騰した海水の表面に、なにやら緑色のもやもやしたものが出てきた。なんだこれ。とりあえず取り除いておく。顕微鏡で見たら面白いものだったかもしれない。
今日は文句なしの晴天。きっと高気圧だろう。沸騰している海水は、おそらく100℃を超えている。
その前に立ち、火力を調節しながら見守っていると、炎天の下自転車で海水を採取した影響もあってか、くらくらと現実離れした思考になってくる。「ふはははは、紅蓮の炎に焼かれて塩になってしまうがいい!」なんて言葉が頭に浮かぶ。
実験が黒魔術になっている。
火にかけてから2時間。10Lの海水も全て鍋に入り、かつ水量も減っている。鍋の内側には塩らしい白い跡ができている。
3時間たって、かなり濃縮された海水を味見してみる。
あまりのしょっぱさに吐き出しそうになる。でも後味にきつい感じは残らない。 |