クッキーの中に紙のおみくじが入っている中国のお菓子「フォーチュンクッキー」をご存知だろうか。数年前に少しだけはやったような気がするこれ、中華料理店で初めて見たときは感動したものだ。
当時は日本の中華料理店でもちらほらと見かけたけれど、今は料理屋でデザートとして出す店はほとんど知らない。
あのプチ感動をもういちど。フォーチュンクッキーを探して中華街まで行ってきました。
(text by 田中あずさ)
いろんなメーカーのがある
以前、中華街でフォーチュンクッキーの袋売りを見たのはもうずいぶん前のことだ。中華料理店でもすっかり見かけることがなくなった今、どっかにはあるだろうけどそんなに数があるとは予想していなかった。
結局、中華街にあるおみやげ屋さんを巡って見つけられたフォーチュンクッキーは4種。いろんなメーカーのものがあることに、ちょっと驚いた。今でも健在なのか、数年前から放置、なのか。
メーカー別・おみくじの傾向調査
■食料品 食器等 「萬順行」
占いのタイプ:見かけだおし系
実用度 ★
神社などでひくおみくじと同様のいわゆるスタンダード型。一見しっかり作っているように見えるが、巧みに見せかけて実は何も言ってないのがこのタイプの特徴だ。「運気は上がっていますがよけいな一言には注意を」「運気は悪くないのですが間違った判断に捕らわれそう」など、「○○だけど○○かもね」的な表現は占いの常套と言ってもいいだろう。このタイプはいいとこどりをするのが吉かと。
■栄興虎
占いのタイプ:無責任系
実用度 ★★★★
「面白い人が現れる」など、当たっても当たらなくてもいい情報をもっともらしく言い放つこちらのような占いを無責任系という。(いま決めた)。「・・・かもしれません」「予感・・・・・・」など、当たらなくてもこちらから文句は言えない逃げどころがしっかりしているあたりも、かなりの策士。実は「自分に迷いがなければ相手の無責任な行動に惑わされることはないのだ」という深いメタファーが隠されている。
■おみやげ専門店 「楊記」
占いのタイプ:ちゃっかり系
「八方美人に徹して吉」「デートの相手が金欠」など、かなり具体的なシチュエーションが提示されるちゃっかり系は、占うというよりも処世術の含蓄に役立てたい。一方でスタンダールの恋愛論(なにそれ?)や結果を急がないなどの哲学チックな助言を含むあたり、つきあいの合コンに疲れ気味の女子高生におすすめ。
■重慶飯店
占いのタイプ:霊媒系
実用度 ★★
「目に見えない世界に興味を持ちやすい日」「恋人の本心がピンとわかってしまうかも」など、テレパシー系の出来事をズバリ予測するこちらは、占いというよりも霊媒系と言える。アートやカルチャーなど、心を豊かにする行動を促すあたりも、霊媒系であることを裏づけしている。心の目を開きたい。そんなときにおすすめ。
まとめと考察
ワタシは占いに全くといっていいくらい興味がないが、フォーチュンクッキーは大好きだ。思いがけないタイミングでおみくじが貰えるのは、粋な計らいってかんじがするから。おみくじの内容は得てして毒にも薬にもならないようなものばかりだが、思いがけないタイミングで貰うものだからこれくらいでちょうどいいのだ。
余談だが、フォーチュンクッキーはクッキーと言いながらも全体的に炭酸せんべいの味がしました。