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コネタ


コネタ654
 
価値が揺らぐくらい、安いとこガイドしますよ

(text by 大塚 幸代

「大塚さん、そのジーンズかっこいいですね」
この写真の撮影時、メイクを担当してくれていたデイリーライター・佐倉美穂さんにそう言われたので、
(中央のギター持ってるのがわたくしです)

「ん? あ、これ……1000円」
と、ぽろっと正直に言ってしまったら、
「1000えん!?」
と驚かれてしまった。

「いやその、2万円のジーンズも持ってるけど……ジーンズって相性っていうかその……気にいると着ちゃうんだよー、っていうか、違うな、それは言い訳だ……。
……あのね、激安が好きなのよー」
「好きっていっても、そういう情報って、どうやって知るんですか?」
「え? なんで知ってるのかな、私……なんとなく、なんだけど」
「なんとなくってなんなんですか!?」
「……いや、経済的に余裕があるわけじゃないから、自然に詳しくなるっていうか……趣味っていうか……あ、じゃあ、今度、都内の激安ポイントを案内しますよ」
「約束ですよ!」

というわけで。


浅草に集合した私たちです。

「大塚さん、浅草には何が……?」
「佐倉さん、まずは靴です。浅草は履物の街なんですね」
「はい」
「仲見世をぬけて、『新仲見世商店街』に行くと……あ、ここ、『ユニバース』(台東区浅草1-28-3)っていう店なんですが」

「おおおおおおお! なんか店頭にずらーっと並んでるやつ、みんな1000円以下!」
「店内も2000円くらい。私のように足がでかくなければ、選び放題ですよ。探せば大きいサイズもある場合もあるけども」

はいらねー。

「私は標準サイズなので全然オッケーです! でも、今、靴欲しくない」
「あ、そう……。でもせっかくなので、もう1件行きます。松屋のまえにある、靴問屋『ニューローランサン』(台東区花川戸1−3−2)ね。
ここも、サイズさえ合えば、おトクに買えます」

「大塚さん、この紫の革のサンダル、こないだ履いてたでしょう」
「うわ、バレた、2000円なのがバレた……ていうかチェックしてますねえ。というわけで、つぎは上野に移動!

まあ、アメ横です」
「アメ横ですね」
「アメ横は、女子はファッションビル、『ABAB』の地下がいいですよ。かわいい下着がセットで1000円とかであります」

「………うおー!」
「………さ、佐倉さん、そんなの買うんですか!?」
「いや、だって可愛いじゃないですか!」
「まあ、可愛くて安いですからねえ。
あと、上野で注目したいのが水着『スポーツ寿苑アメ横館』(台東区上野4-1-7)ですね。

ここ、けっこうブランドものの水着が1000〜3000円くらいで買えます。ま、ブランドものといってもスポーツブランドですが、arenaとか」
「ほほう」
「スイミング通ってたとき分かったんですけど、競泳用の水着って消耗品なのね。水圧ですれてスケてくるもん、胸とかおしりのあたり」
「へえー」
「なので、泳ぐ人はここでばんばん新しいの買うといいですよ。
さ、次は本命の日暮里に移動!
……うわ、あいかわらず安いなあ〜」

「安いですね!」
「ここは、『ポップガール』(荒川区西日暮里2-18-8)って店ですね。よくテレビや雑誌に出てる。
系列店の『ヘイワ堂』(荒川区東日暮里5-51-13)、ここ私は好きなんですけど。

例のジーンズを買ったのも、ココだな……」
「ここですか」
「あのー、ここ、仕組みはよくわかんないんだけど、某デパートに入ってるブランドの服が、10分の1以下の値段で売られていることもあって……」
「しええええ。しかし、確かに安い。1000円以上出すのがイヤになるくらい安い」
「ね、貨幣価値がおかしくなってくるでしょう!? ちょっとした海外旅行気分ですよ……。
で、私のおすすめが、

この靴屋(荒川区東日暮里6−16−8)」
「また靴ですか」
「ここ、なんかしらないけど、けっこう大きな靴の出物があるのよ。
トランスヴェスタイト系の皆様もぜひ、ご活用ください! ゆっくり選べるし店員さんがほっといてくれるので、ラクですよ!」
「……ほほー」
「じゃあ、最後に原宿に移動!」

「大塚さん、私、竹下通りなんて、もんのすごい久々です」
「ですよね、大人になると来ない人多いよねー。私はこういうジャンクな場所が好きで好きでたまらないんだけど……。
で、竹下通り入り口近くにあるのが『paris kid's』(渋谷区神宮前1-19-8)。300円均一のアクセサリー屋さんですね」
「おー」

「……まあ300円なので、冒険した買い物が出来ます。変ちくりんなピアスとか、楽しんで買えますよ!」
「そんなめっちゃくちゃ安っぽくもないですねえ」
「アクセサリーは気合いですからね! 超高級品以外はみんなキアイで! 本人の気品で、カッコよく見せるつもりで!」
「ですね!」
「ていうか、そりゃ、お金が余るほどあれば、普通にデパートで買いたいですけどね……貴金属」
「あと気がついたんですけど、大塚さん、竹下通りって、安い可愛い下着屋さんだらけじゃないですか?」

「……ああ、これってやっぱり、性の低年齢化が関係してんですかね?」
「ん!?」
「いや、勝負下着を中高生が買うのかなあ、って思って……」
「えー!?」
「いや、よく知りませんが!
で、まあシメに『ブックオフ原宿店』(渋谷区神宮前1-8-8)とかで買い物したら、だいたいショッピング欲は満たされると思います」
「私、もう荷物持てません〜」
「このページ、誰か英訳にしてくれないかなー、きっと海外から観光に来る人とかに、有益な情報だと思うんだけどなー」
「そうかもですねー。
しかし、価値のゆらいだ1日でした!」
「……そうすか?
私は、もうこういうミクロな世界、飽きてきました。ああ、優雅に伊勢丹とかで、値段も見ずに、同じ形の服を色違いでバババッと買えるようになりたい……」
「野望ですね……」
「まあ、それはいいとして。皆様、よろしければ今回のこの情報、ご活用ください」
「『はなまるマーケット』みたいですね」
「はい」


 

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