相撲中継で土俵の向こうに見えるマス席。なかなか手に入りにくいらしく、値段も高い。
その分いろいろとおみやげがつくらしいとの話も耳にしたことがある。今回、たまたまマス席で相撲を観戦してきた知人が、おみやげをごっそり持ち帰ってきた。
個人的に相撲にはあまり詳しくないが、おみやげには興味がある。どんなものがついてくるのか見せてもらいました。
(text by 小野 法師丸)
●おみやげエクストリーム
とにかくたくさんのものがついてくるとは聞いたことがあったマス席のおみやげ。並べてみると、確かに過剰な感じで迫ってくる。
これがひとり分。持って帰ってくるだけでも大変そうな量だ。なんだか食べ物がやたらと多い気がするのだが、これでひとり分というのはどういう想定でそうなるのだろうか。
まずは幕の内弁当とやきとり。パッケージも細かな部分まで相撲っぽく、厚焼き玉子には「国技館」の焼印が入っていたりもする。ただ、ひとりで食べる分にはこれでもう十分。すでに多いくらいだ。
それでもまだまだ食べ物構攻勢。甘栗にそらまめ、ひとつひとつうれしいものなのだがもう食べきれない。さっき弁当を食ったはずのに、カツサンドもついてくる。食べる量が力士基準なのだろうか。今さら角界を目指すつもりはない。
カツサンドのパッケージにはこんな一文も。黒豚を張り手でパン、というのはポップな感じと受け取っていいのだろうか。
さらにはまだ腹もちのよさを主張しているのが過剰だ。主張するまでもなく満腹になっている。どちらかというと軽い感じの方針も打ち出してほしい。
相撲あんみつ、相撲せんべいと、次々と迫りくる食べ物たち。この感じ、実家に帰省したときのことを思い出した。これも食え、あれも食えと言われがちな実家。これを持って帰れ、これも持っていけとなすがままにされる感じが似ている。
そういえば相撲は、一番はじめから見るとかなり早くから始まっていたはずだ。憶測だが、半日くらいかけて全部見るということを想定してこの量になっているのかもしれない。
柔和な顔をした力士たち。つやつやボディがなんだかあやしさをかもし出す。
大きい方は自立できるので記念写真風に並べてみた。どこの部屋の記念写真だかは知らないが、わけのわからない迫力で迫ってくるチョコ力士たち。
こ、こわい…。街でからまれたらちびる。
びびりながらも相手はチョコレート、頭からかみついてみる。もぐもぐ…マイルドで甘さひかえめな味、おいしいおいしい。おなかのあたりにナッツが一個入っているのもうれしい。
まだ残っていた箱を開けると、中身は皿。食べ物以外が出てきてほっとした。
これでもかとぐいぐい押してくるマス席のおみやげたち。軍配の絵が描かれた皿もなんだか新鮮。店に行って皿を買おうとしても、なかなか軍配模様のものは選ばない。
皿はいただいたので、日常生活の中に相撲感を取り入れたいときには使っていこうと思う。