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コネタ472
 
覆面レスラーは一流ホテルにチェックイン出来るのか

現役レスラーのサスケさんが岩手県議会の議員に当選したのが今から2年前。覆面をしたままの議会登院を認めるか否かでもめていた。その後、あの問題はどうなったのだろうか? サスケ議員は覆面をしたまま議会で発言しているのだろうか? そもそもサスケ議員って名前は大丈夫なのか?
今更ながら色々気になってしまったので、今回は覆面レスラーの公共性について検証してみました。アディオス。

(text by 住 正徳


まず覆面レスラーを用意しないといけないが、生憎僕には覆面レスラーの知り合いがいない。だったら自分が覆面レスラーになるしかないので、新宿のプロレスショップに出向いた。創業20年、プロレスショップの老舗アイドールさんだ。

店内は撮影禁止だったので写真を掲載する事が出来ないのだが、店内には様々な種類の覆面やプロレス関係のビデオ、雑誌が陳列されていて、まさにプロレスファンの聖地という趣。覆面レスラーについて店員さんに質問すると丁寧に色々と教えてくれた。

曰く、覆面レスラーといえばメキシコが本場だが、メキシコ人はみんな小柄なので覆面も小さい。なので、メキシコのレスラーという設定ならば小柄な僕でも十分有り得る、らしい。レスラーに見えるかどうか不安だったので少し安心した。

しばらく吟味した結果、僕はドスカラスというレスラーのマスクを選んだ。その昔、「スカイハイ」というテーマ曲で一世を風靡したミル・マスカラスの弟だ。


メキシカンレスラーの覆面

早速このマスクをかぶり、覆面レスラーになりきってみる。


にわか覆面レスラー

名前:ロ・マン
年齢:35才
出身:メキシコ
得意技:空中殺法が得意。中でもフライングきりもみチョップのキレは抜群。
特徴:普段は女子プロレスラーの「ラ・マン」と異色の男女タッグを組んで活躍。メキシコマット界で人気を集めている。

 

それでは一流ホテルに突入します

前日に予約しておいた都内某所のT国ホテルへ。ドレスコードに引っかからない様、スーツを着用した。


ロ・マン選手。T国ホテルの前にて

しかし、ここは天下のT国ホテルである。そのエクゼクティブな門構えに気後れして、中々突入する踏ん切りがつかない。


エントランス付近

一旦覆面をはずし、エントランス付近の様子を伺った。
ドアマンや警備員が全部で4人はいる。あの中を覆面つけて通り抜けるのか?

やはり歩いて抜けるのは無理だ。検討の結果、タクシーで乗り付ける事にした。
ホテルの周りを廻ってもらいエントランスにつけてもらおう。
カメラを持ったスタッフをエントランス付近に残し、僕はタクシーを拾った。

「この周りを一周してT国ホテルにつけて下さい」
そう運転手さんに告げて、再び覆面をつける。


タクシーで移動するロ・マン選手

バックミラー越しに覆面レスラーを見つけた運転手さん。特に何も聞かれなかったのでこっちも黙っていた。お互い無言のまま、車はあっという間に一周してしまいT国ホテルのエントランスに向かっていく。

ジェットコースターがカタカタと頂上に向かっていく時の様な感覚。かなりどきどきしている。


それでもタクシーはエントランスに着いてしまった

もう行くしかない。あっ、領収書ください

とにかく早足で抜けてしまえ

コソコソと

あっさりとロビーまで入れてしまった。
ドアマンも警備員さんも、誰もロ・マンを止めようとしない。


ん?

よし、一気にフロントへ行こう!!


メインロビー

メインロビーは宿泊客たちでいっぱいだった。
フロントまでの道は遠く、そこら中から視線が刺さってくる様な感じだ。顔が見えないから恥ずかしくない、そう思っていたのだが、そういう問題じゃなかった。


素顔でチェックインするロ・マン

結局、T国ホテルのプレッシャーに負けて自分からマスクを取ってしまいました。
止められはしなかったけど、無理ですわ。


フロントの人に聞いてみた。
「覆面をかぶった人ってチェックイン出来るんですか?」

そういった方は今までいらっしゃりませんでしたけど、一応覆面は取ってもらうと思います。

だそうです。
ですよね、お仕事中に申し訳ありませんでした。

結論:覆面レスラーは一流ホテルにチェックイン出来ない。

don't disturb


 

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