唐突だが、 長崎に「フルーツバス停」というものがある。
どんなに厳しい表情で渋くバスを待とうとしても、強制的にコミカルな風景に変えられてしまうフルーツバス停。
ってことで、またしても 長崎のおかしなもの、紹介します。
(T・斎藤)
唐突にあらわる
国道沿いに車を走らせていると、突然なんの前触れもなく、スイカにしか見えないものが前方にあらわれる。
フルーツバス停群
フルーツバス停は、“群”を形成している。 国道沿いにいくつもあるのだ。数えてみたら全部で14個あった。
上の写真はイチゴ型。 よく見ると、イチゴの種の先の毛まで再現されいる。 なにげに造形のリアリティが高い。
バスを待つ
メロン型の前に立ってみる。 なにか、バスではない別の何かがお迎えに来そうな雰囲気だ。
フルーツバス停は、たとえそこに立つ人がどんなにシリアスな状況にあろうと、偉い人だろうと怖い人だろうと、強制的にコミカルムードにする。ある意味、人間を平等化する装置のようだ。 でも高校生ぐらいの多感な年頃の少年だったら 「俺、あんなバス停の前で待つのイヤだよ! 自転車でどこまででも行くから。 」 と言って抵抗するやつとかいるかも。
高い居住性
フルーツバス停の内部は左の写真のようになっており、居住性が高い。雨の日でも風の日でも何の憂いなく優雅にバスを待つことができる。
が、バスからは中が見えにくい。居心地がいいからと奥の方で油断していると、バスが気付かず行ってしまうことがあるので要注意だ。 実際、私は 「待って〜」 と慌ててフルーツから飛び出してバスを追いかけているおばちゃんを目撃した。
こんなところにもテロ対策
フルーツバス停の中に、テロ対策のビラが貼ってあった。 「不審物を発見した場合はご連絡ください。」
フルーツバス停そのものが不審物? という疑問も。
なんとなく、寝てみる
なんとなく、寝てみる。 その居住性の高さゆえ、もし終バスを逃してしまってもここで朝まで寝られそうだ。 真ん中に石油ストーブを置いてスルメを焼いたりすれば文句なし。
全5種類
フルーツバス停は、すいか、いちご、メロン、みかん(柿かも)、トマトの全5種類。 これらはすべて、フルーツバス停がある小長井町で栽培している果物らしい。
〜の特産物って、中学生の時社会でさんざん覚えさせられたが、今なら「長崎県北高来郡小長井町で作っている果物の名前を挙げよ」って問題に答えられる自信がある。
でも、トマトって果物だっけ? そういえばスイカも野菜だ。
ちなみに。 冬は風よけになるので非常にありがたいフルーツバス停だが、窓が開かないらしく、夏は風が通らず暑いんだとか。