皮なしミカンといえば缶詰。 風邪の時、夏のシャワー後。よく冷えた缶詰が、素朴なミカンから極上のデザートになるシチュエーションだ。 この時期かごに山盛りになっているミカン。これの薄皮がなければ、カクテルグラスに入れてスプーンで食べたいようなデザートに変身するのに。
そんな情熱をこめて、薄皮、溶かしてみました。 ブドウも房に実ったまま皮なしを作ったよ。
(佐倉 美穂)
普段そこに伊予柑があろうとりんごがあろうと「ああ、いるね」としか認識しないのだが、それの皮が剥かれることにより贅沢デザートに変身する。イッツソーミラクル!
なので缶詰フルーツが好きだ。以前冷蔵庫に貯蔵しておいたミカンの缶詰は、穴が開いていたらしく、液体が漏れ、缶を開けると一部のミカンが変色していたが、それでも欲求を抑えられず大丈夫そうなところだけ食べてしまった。お腹は大丈夫だった。自分の丈夫さにちょっと複雑な思いを抱いた、あれは数年前の話。
作ってみましょう
その皮なしデザート、自宅で作れるという。 作り方は至って簡単。 水200ml:重曹1gの比率で沸かしたお湯で数分茹で、水にさらすだけだ。
ミカンはバラバラにし、ブドウは大胆にも房のままやってみる。
果物を茹でるなんてそうそうない光景だ。特にブドウ。まるで釜茹での刑かと思われるような形相になっている。
さて薄皮が溶けてきた頃、水にあげてみる。 するとそこにはピカピカのミカンが! ああ、これが子供の頃兄の分まで盗み食いする程好きだったミカンだよ…。 ブドウはお湯に浸かっていた下の方だけきちんと皮が無くなっていましたよ。
そのブドウを茹でていたお湯、驚くほど赤黒い。きっとポリフェノールとかアントシアニンとか、体にいいものもたくさん溶けているのだろう。でも重曹入ってるしなあ。
余談ですが、私は酔うと「勝てるのは松崎しげるくらいだよ」と言われるくらい顔が赤黒くなります。 こんな色してるのかしら…。
感慨ひとしおの試食
DPZでは河原でのロケが多いが、私は近いので海だ。 今回も、これでただ食べるのももったいない、せっかくだから景色のいいところで食べよう、それもみんなに見せびらかしながら食べよう、という魂胆で一路海へ。
夕方に行ったので夕日が綺麗だった。良い天気だったので富士山も見える。 そんな中で風にあおられながら、いざ試食。
ミカンはやはりカクテルグラスに入れたい!と思ったが、そんなシャレたものが家に無く、似たようなグラスで代用。 食べてみるとほろほろとしていて、やや味が薄い。少し茹ですぎたか。 でも、やはり袋のままのミカンの荒削りな歯ごたえがなく、デリケートなデザートに仕上がっている。
ブドウは、やってみたかったんです、房の下から直接食い。だって普通は皮を剥くから房からもがないといけないでしょう。
ばくん、もぐもぐ…
さすが上の方が茹だらない程の茹で時間。味も歯ごたえも濃厚なまま残ってますよ。素直に美味しいです。 剥く手間いらずだしね!
海での写真は通りがかりのおばちゃんに頼みました。 「もっとこういう角度で!」「哀愁漂わせて!」等の難問に笑顔で「おや次はブドウかい」と応えてくれたおばちゃん、ありがとうございました。何の写真かも聞かないでくれて助かりました。 知らない人に「写真撮って下さい」と言うのにもかなり慣れました。