これを食べたら明日、誰も私の近くに寄らないだろう。いや、すでにこの店を出た後の帰り道で人はすでに気がついて私を避けるかもしれない。しかも私は翌朝、自分の吐いた息で部屋が臭くてしょうがないことにも気がつかないんだろう。
そんなことを頭の片隅で恐れながらもそれでも食べたいのです。
それでも「ニンニクのオイル焼」が食べたいのです。

（藤井 季美）

「しちりん」というこのお店は千葉の西部を中心にチェーン展開をしているホルモン焼きの店。初めて行った時は高校の同級生になかば強引に連れて行かれた。赤提灯がさがっていて、炭火焼ゆえに店内は煙でけむくて服は燻され気味。私に言わせれば「男らしい店」であった。

連れが「ここはコレがおいしいんだよ。」と言って頼んだのがこの「ニンニクのオイル焼」。 にんにく？そんなん丸ごと食べたらやばい。独身の20代のOLたるものそんなことは出来ないっ！と思いつつ。言われるままに食べる。・・・・・旨い。 にんにくがこんなに美味しくなるなんて知らなかった。
食い意地の張ってる私はニンニクの美味しさに感動してるうちに服が焼肉くさくなるとか、「男らしい店」だなんて事はどうでもよくなっていた。そして それ以来ここで食べる「にんにくオイル焼」は私の大好物の一つになったのでした。

まず注文すると網の隅にこう置かれます。
小さいながらも店名が入ってる鉄鍋がキュートです。

ホルモンなどを焼きながら、気にしないフリをして放置する。
ニンニクオイル焼は食べられるまでに時間がかかるので、焦って食べないように、手前の肉に集中する。

中のオイル（マーガリン？）が溶けたころ、店員さんが来て蓋をはずす。

オイルがふつふつしきた。ううっ美味しそうだ。
オイルとニンニクの食欲をそそる良い臭いが漂ってる。

ニンニクにほどよく色が着いてきたら取り出して食べる。

お好みで塩をかけて。オイルをたっぷり染み込んであめ色になってます。

お箸でつかむと崩れてしまいそうなくらい柔らかくてホクホク。オイルの甘味でニンニクの臭いはほとんど消えていて味はとても甘いです。いくらでも食べられます。 これとビールの組み合わせはどうにかなりそうなくらい美味です。