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コネタ


コネタ349
 
神様、一杯おごってよ

去年はお酒ばかり飲んでいました。
今年もできればお酒ばかり飲んでいたい。
タダで飲めればもっといい。
そういえば前、神社で「ふるまい酒」というのを飲ませてもらったなあ。三三九度のお酒とかお清めのお酒とか、神社はお酒をたくさん使うので、参拝客にもふるまえるのでしょう。
ならばガンガンふるまってもらおうじゃないか。
神様に酒をおごってもらおうじゃないか。
こいつぁ春から縁起がいいじゃないか

(text by 神田ぱん

閑散たる花園神社。提灯だけは枯れ木も山のにぎわい

正月終わってた

本当は元旦に行くつもりでした。だけど大晦日、あの雪です。無理。長靴持ってねえし…で、1月2日に行きました。まずは新宿・花園神社。
歌舞伎町やゴールデン街にほど近い花園神社です。お酒なんて売るほどある町です。さぞや景気良くふるまってくれるに違いない。
そう思ってのセレクトなのに。


もはやおみくじ売り場もクローズ
一升瓶は並んでるのに…

……人いない。

正月? あったねぇそんなこと、てな雰囲気。
お酒の瓶はあるのに、誰もふるまおうとはしていない。
花園といえば新宿総鎮守。こんなていたらくで良いのか? 飲ませろよ! 憤慨してもどうにもなりません。覆水盆に還らず、光陰矢の如し。


「男女和合の御守」って何

和合について

しょうがないから境内をウロウロしていたら、こんな札が貼り付けてありました。
男女和合……。わ。お稲荷様がすごいことに。自主規制。


夫婦和合御守は結構重い。500円

社務所で「あの、男女和合のおまもりって…」と訊ねたら「こちらが夫婦和合。あとは縁結びになっちゃいますね〜」と、縁結びになっちゃうとまずいみたいな口ぶりだったので、夫婦和合を買う。もとい、拝受。
おまもりの御神体はかなり直裁なデザインでした。ま、いいや。和合和合。


酒をふるまう有料露店

飲んで誤魔化す

そして、ふるまい酒をふるまってもらえないため自腹でお酒を買い、飲む。朝10時から熱燗です。お客がいないせいか、あっためすぎてむちゃくちゃ熱いです。
くどいようですが、コップ酒、かつ熱燗です。何やってんだオレは、と反省しそうになるけど縁起物だからと誤魔化す。正直、一杯飲んだら体もあたたまってイイ気分になってしまいました。これが「お屠蘇気分」というものか。お屠蘇じゃないけど。


とりあえず「将軍カップ」を買ってみる。180ml 400円
とりあえず「将軍カップ」をすすりこむ。熱っ!

神道の切り崩しにかかるキリスト教徒のみなさん

死後の行き先について

次に明治神宮へ出向きました。初詣といえば明治神宮。よもや2日に終了してることはあるまい。と誰しもが考えるのか、原宿駅を降りると大変な人混み。すぐさまあきらめ。
ホコ天と化した駅前通りには、なぜかキリスト教の人も聖書プラカードを持って立ってます。ライブハウスでいろんなバンドのチラシくれるみたいな感じ。違うか。死後の行き先を考える前に私は、酒をふるまってくれる神社を考えたい。


エスカレーター付きで金持ちそうな参道
働く猿

こも樽の群れに小躍り

なんかアレだ、もっとガッポリ儲けてる町ならふるまってくれるのではないか。
高級な町。
お金持ちが来る金持ちのための町。
もうあの〜、会計に現金なんか使わないとこね。あとから銀行引き落としになるとこね。キレイどころがいるとこね。

そういうわけで、赤坂は日枝神社に行きました。
すると、あるある! 酒のこも樽がずらっと!
思わず猿と一緒に欣喜雀躍してしまう。

ずらりと並ぶ樽、樽、樽。これは飲みでがありそうだ!

こも樽ふるまい酒説を一蹴する土屋遊
樽はあるのに…またも有料

ところが合流した土屋遊はこも樽を「入ってるわけないじゃん」と一蹴。え。まさか。「ほら! からっぽだよ」と軽々引っ張ってみせる。マジかよ! ディスプレイかよ! 酒屋でもないのにどういうつもり。自慢?
日枝神社の真意をはかりかねつつ、ふるまい酒コーナーを探してみました。やはりナシ。巫女さんがなんか配ってると思ったら破魔矢だったり。

ふるまいはあきらめて「お休み処」でお休みし、またもや自腹でタル酒をぐびり。うまい。おなかも減ったので、いか丸焼きや煮込みも頼む。「お休み処」ながら居酒屋ばりの充実度。さすが赤坂です。少し腰をすえて飲むことにしました。

神田「ふるまってくれませんね」
土屋「ふるまわないですね」
神田「ふるまい酒情報ないですか」
土屋「神社のフリして御札売ったりお酒飲んだりするとこ知ってます」
神田「それどこ」
土屋「近所の団地の集会所」
神田「……」


靴あとでクチャクチャになったメニューが混乱を表現

さらに飲んで誤魔化す

店内はさほど混雑してるふうでもないのに注文系統が混乱をきたしており、我々のつまみが出揃ったのは42分後。でもそれらのつまみは、お酒を一滴も飲めない土屋遊が食べてしまいました。
これじゃ普通に飲み会。だけど空は快晴、はしご酒のせいか浮き浮きと楽しい。これも神様(関係)のお酒のおかげです。
善哉善哉。

なんとタル酒1000円。高ぇ!
受け皿は焼き鳥のトレーが流用

ふるまい風だが『天野屋』の甘酒外売り。有料

ふるまい酒の彼方

気っ風がいいのは神田でしょ。てなことで神田明神へ。ここはIT情報おまもりを売っており、貴重なIT情報満載のDPZにはうってつけです。
そしてなんと参道ではコップを手に手に持つ人が!
やったあ、ついにあこがれのふるまい酒!
と思いきや、地下に糀の土室(むろ)があることで有名な『天野屋』さんが甘酒を売っていただけでした。


猛烈な混雑で輝く本殿ははるか彼方

又、又、飲んで誤魔化す

しかも、ものすごい混雑で境内に入るのもままならない。見れば門の前におでん系露店。飲りますか。ええ、飲りますとも。がんも、ちくわぶ、たこ、そして男山。世は統べて事もなし。

飲みやがれ!とばかりに「男山」
自腹でここまで酔いました。500円

ふるまい酒の一般的なタイムスケジュール


面目ない。

ふるまい酒は、大晦日〜元旦の朝にかけてのみふるまわれるものでした。

「これ、“神様のお酒”じゃ詐欺だよね」
「神社で飲んでるから神様のお酒ってことで…」
「なんか“消防署の方から来ました”みたいな…」

でも、

1.有料でも神社のお酒はなかなかうまい
2.花園神社はわりとすいている
3.日枝神社はつまみが充実している

といったことがわかりました。
あっ! お詣りすんの忘れた!


 

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