昨年末、東京駅で知らない子供に手を振っているおじさんを見た。
たまたま前をよちよち歩いていた外国人の子供に振っていた。そしてその子も手を振りかえしていた。子供のお父さんもにこにこしていた。
なんて幸せな光景だろう。
僕も知らない人に手を振りたい。幸せな空気を作りたい。相手が子供であろうと大人であろうととりあえず手を振ってみますか。(林 雄司)
手を振る人が多い東京駅
1月3日、東京駅。各地に帰る人たちに家族や恋人が手を振っている。僕もそのなかにまざって知らない人に手を振ってみよう。
とは言ってもあれだ、僕だって恥ずかしい。まずは誰もいない窓を狙って手を振る練習。
「わー」なんて小さな声を出しつつ手を振ってみる。
ターゲットの後ろの窓の人がカーテンを閉めてしまった。ただならぬ雰囲気を感じたのだろうか。それは僕とていっしょ。
ひとりの人にじっと手を振っていると好意が好意として受け取ってもらえない可能性がある。
走り出す新幹線に向かって手を振ってみることにした。すべての乗客をなめるように手を振る作戦だ。幸せな雰囲気をばらまくつもりで。
すいません、うそです
手を振っているのは僕にではなく、となりにいた見送りの人にだったのだ。
幸せ振りまくつもりが横取りしてどうする。
東京駅では僕が手を振っても応えてくれる人はいませんでした。次はとっておきの ゆるスポットで挑戦します。
日の出桟橋です
人は船を見ると手を振りたくなる。それが長旅ではなくて、お台場に行く10分の船だとしても。昨年、別の取材で船に乗って発見した事実だ。(ここ)
船に手を振ること10分。その人はあらわれました。その瞬間をご覧ください。
知らないひとよ、まっていたよ
水上バスの扉の向こうに子供を抱いた人が手を振っていた。見ず知らずの人に手を振っている。わー。こっちこっち!知らないひとー。僕も勢いよく手を降りかえした。あなたはだれですかー。
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東京はやや厳しかったけど、機会があったら大阪やフロリダ、サハリンでも試してみたいです。都市のゆるさ(いい意味で)の尺度になったりして!とひとり興奮しています。