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『工場萌え』ヒット御礼! 工場ナイト2


主催は『工場萌え』本の2人(左:大山さん、右:石井さん)

「工場ナイト2」というイベントがあってみんなで工場を鑑賞するそうだ。

何それ?とならないのは、主催の一人である大山さんがデイリーポータルに工場記事を多数寄せていることもあるだろうし、写真集『工場萌え』が大ヒットしたからということもあるだろう。

でもよく考えれば工場だ、工場。何か作ってんだ。見世物じゃないんだ。変わった人たち大集合だ。

そんな工場大好きが集うイベントに行って「変わってるよなー。」と言いたいがために、8月25日東京はお台場、カルチャーカルチャーに行ってきました。

大北栄人


わたしと工場

工場。学生のころに歯ブラシ工場にて検品のアルバイトをしていた。

みんなはあれのどこが良いのだろうか。同僚のおばちゃんに「若い人は手先が器用やわぁ。飴ちゃん食べる?」と言われた甘い思い出(口の中が)とかだろうか?

や、違うのは分かっている。みんな工場「美」を見に来ているのだ。残念ながら私は工場に美を見出せず、そしてよく考えてみればその工場はプレハブだった。

そんな私がレポートしていいものかと不安の念にさいなまれたままイベントが始まった。

 

左から文・大山、写真・石井、編集・角田の『工場萌え』ドリカム
東京湾岸の工場風景を石井さん写真で解説していきます
「鳥が邪魔」写真は遊覧船からの一枚

すーっと始まった

マジシャンの音楽で石井さん大山さん『工場萌え』編集の角田さんがステージへ。「『工場萌え』のときには三人並んで工場見てた、いわば工場ドリカム」のお三方だそう。

下は上戸彩だというのに(イベント当日、階下のZepp東京では上戸彩さんのLIVEがありました)、上は背伸びしてドリカム。ドリカムかー、という思いだったがこれが工場版でなく本物だったなら話は別だ。

スライドがパッと点いて淡々とイベントが開始されたのだが、石井さんの口調が速い。しかもマイクがラッパー持ちなのでこもってる。けいよう?ぽーとたわー?聞きなれない単語についていけない。

しまった、およおよしているうちになんだかおいてかれた。しかしできて間もないせいか会場全体が戸惑い気味のようにも映る。

第一部は京葉工業地帯から川崎・横浜までの東京湾岸スライドショー。基本的に『工場萌え』本に出ているところなので詳細はそちらをどうぞ。

ポートタワーは閉まるのが早いという文句から「工場の夜景を見させないとは、役所は何考えてるんだ。」と行政批判に着地。スライド間のトークがふつふつと工場好きのツボを刺激し始める。

気づいたら(左の写真を指して)「鳥が邪魔。」コメントにゲラゲラ笑っていた。会場も笑いでふわっと沸いて、やっぱこれだよな、と出来て間もない会場も次第に落ち着いてきた。

工場風景しか見えない遊覧船の話でも「この遊覧船作ったやつは絶対工場好き」と断言する壇上の三人。そのとき私は『隠し砦の三悪人』という映画を思い出していた。

会場から歓声とため息がもれた一枚
蒸気が出てるのもたまらんすなー

 

はいタンクもあるよーガスタンクあるよー

いいお湯でした

今日はとにかく写真がきれい。
大山さんがプロジェクタにも画像にもこだわったという力作に『工場萌え』の石井さん写真が。一説によると東京カルチャーカルチャーのプロジェクタ仕様は大山さん要望に設定されているとか。工場好きも納得のスライドショーだろう。

夜景の写真が出たときは「ぽー。」とほんとに桃色の吐息があちこちから上がってびっくりした。ほんわかわ〜ん。ああ、これか。こういうことか、と初めてここで合点がいく。きれいな工場の写真でぽわーっといい湯加減になりながらお酒と食事を。

つかんだ。初心者でも開始20分でこのイベントに合流できた。これは温泉イベントだ。工場のフリした温泉なのだ。しまった、書いててまたよくわからなくなってきた。

 

書評をさらに評する悪山さん

当日着用の方もちらほらキリンTシャツが人気の物販

『工場萌え』書評を見てみよう

『工場萌え』本の大ヒットには当然新聞・雑誌各誌面の書評で取り上げられたこともあるのだろうが、その書評をひとつひとつ見ていこう、というコーナー。

『工場萌え』の「萌え」とは角田さんが強く推したそうだ。建造物愛=萌えで語られる風潮は角田さん発なのか?ダム、団地の「萌え」風潮もここからか。イベントではダム愛好家萩原さんの頭上に「萌え」と大きくでている写真を紹介。

みんなは笑っているけれど

この人は絶対工場好きな人、この人ちゃんと本読んでる?と書評者がバサバサ切られていく。傍らにいた当サイトの石川くんも「書評評が一番おもしろかった」とイベント終了後言ってたように、会場も大いに沸いていたのだが、ここに楽しめない自分がいた。

これからレポートしようという者が、目の前の先達がばっさり切り落とされている様を見ているのだ。気が気でない。針の上のむしろ。嗚咽さえ漏らす。

書評評の後は休憩に。工場Tシャツが物販に出てました。

 

 

彼氏も工場ファンだそうでうまくやったたなべさん。

一番良い席にいたお客さんに話を聞いてみました

たなべさんは来る前に「グッドデザイン賞の展示を見て気合を入れてきた」のだそう。ダイソンの掃除機などを眺めてテンションをぐっと上げてから工場に臨んだらしい。なんだそれは。日本酒の前にとりあえずビール、とかそういう感覚?

「今日は工場の外からの写真ですけど、工場って中もすごくいいんですよ。」と語るたなべさん。お薦めは?と聞くと、まんじゅう工場に行ってきてそれがすごく良かった、とのこと。まんじゅう!そうか、そこまで入れると工場って無限にあるな。これはまた深い世界で腰が引けます。

この日は工場の「中」の写真も用意されていて、それは第二部に。たなべさんよかったっすな。


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