10年以上前、親友と女2人の旅行で因島をプラプラ歩いていた時、小さなスーパーの店先で並んでいたので、デコポンと「キヨポン」という柑橘類を買いました。とても晴れていた気持ちのいい日で、少し汗をかきながら、多分ですがここの神社の階段を登ると、境内からは最高の見晴らしが広がっていました。そこで親友が、さっき買ったキヨポンを剥いてくれたので、景色を観ながら口にしたら、もう、今まで食べたどの柑橘類よりも最高に美味しく、涙が出そうになりました。甘み、ジューシーさ、本当に素晴らしく、友人と大いに感動しました。一緒に買ったデコポンは、よく食べるものとそう変わりはなかったので、あのキヨポンのおいしさはロケーションのせいだけではなかったと思います。絶対キヨポン買って帰ろう！と友人と固く決意して、島を離れて尾道に帰ったのですが、何と尾道にも、隣の向島にも、どの店にもキヨポンが売ってなく、どうやら因島だけでしか売ってなかったことが判明。あれからずっと、キヨポンが恋しくてたまりません。幻だったのか？とも思います。季節になったら、店先に並んだキヨポンなど、実物をまた見てみたいです。一緒に行った親友は、あれから病気で歩くのもやっとの状況なので、また一緒にあんな旅行をする事も難しくなってしまったけれど、よく2人でキヨポンの思い出話をしています。彼女にも見せてあげたいです。本当に存在してたのか？そしてまだ存在してるのか？キヨポン！お願い、誰か見てきて！

がっかりさせてしまうかもしれませんが… (2012.4.3)

尾道市瀬戸田町にある「シトラスパーク」（柑橘類の公園）でお話を伺って来ました。
◯「デコポン」と「キヨポン」は実は同じ果物です
◯正式な品種名は「不知火」（しらぬひ）で「デコポン」（流通名）は熊本県が出願した登録商標です。
◯このため、各県が「ヒメポン」（愛媛県）「フジポン」（静岡県）「ポンダリン」（徳島県）など、独自の商標登録を出願することとなります。
◯そこで、広島県が登録したのが「キヨポン」単純に元になった「清見」と「ポンカン」からとったそう。（広島＋ポン＝ヒロポンという案もあったそうですが「ヒロポン」は終戦後流行した覚醒剤の名前と一緒になるということで却下されたそうです）
◯現在では市場の混乱を避けるため、一定の条件をクリアしたものは「デコポン」を名乗ることが許されています。

以上のことから小梅さんが食べられた「キヨポン」は「広島産のデコポン」ということになりますね。

道中、青果店など気をつけてみましたが、やはり店頭に並んでいたのは（知名度の高い）「デコポン」ばかり。　どうやら「キヨポン」は本当に幻の果物になってしまったようです。