行ってきました (2008.2.11)
「虚無への供物」を読んだのは20年近く前なので、氷沼邸に関する記述を全く思い出す事ができませんでした。なので、もう一度読み直してみました。
小説中に出てくる日付は、1954年12月から1955年5月です。作品は1962年の江戸川乱歩賞に前半の第二章までの未完成状態で応募されており、氷沼邸に関する記述は序章にあるので、1962年には書き終えていた事になります。従って、この小説に記されているのは、1950年代後半から1962年頃までの様子と思われます。今から、約50年前の事になります。
氷沼邸は川村女学院から目白署の裏手一帯の逆三角形の斜面の中心部で、目白町二丁目千六百**番地となっています。これは現在の住居表示ではなく、今は無い住所なのですが、ほぼ該当する地域を歩いてみました。
現在は写真の通り、道路は小説の通り迷路の様に入り組んでいますが、『丈高い煉瓦塀が隠し、繁り合った樹木が蔽う』という状況ではありません。古い建物も残ってはいますが、多くは建て替えられています。複雑に入り組んだ道路以外は、当時の状況は殆んど残っていないのではないかと思います。
一番下の写真は、当時はなかったサンシャイン60を入れて写したものです。
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