林立する日本の伝統建築は、それだけでアートだと思う。特に寺院の建物は、豊富な資金で建てられた、質の高いものが多い。白漆喰に栄える柱や梁のライン、折り重なる瓦葺きや檜皮葺きの屋根、ため息が出る。これだけ立派な建造物はそうそう無いが、しかし明治維新前の日本、街は総じて伝統建築のみで構成されていた。どこまでも連続する土塀に屋根瓦。想像するだけで鳥肌が立つ。