たぬきケーキである。人気のパティシエが創り出す最新のケーキ、とは対極にあるかっこわるさ。昭和期には人気のあった定番ケーキだったのだろう。しかし今や、見かける機会はめっきり減り、珍しい部類のケーキになったと思う。キラキラした流行のケーキとは一線を画す野暮ったさ。それでもときどき、こうして商品として並べられている。このケーキも路地にある小さな店で見つけたもの。その状況がかっこいい。それぞれに表情が違うのもおもしろい。最前列のセンターが一番ハンサムに見えるが、それは意図的な並べ方なのだろうか。