石段でうつらうつらしていたグレーと白のツートン猫が、ふと花壇の方へ小走りに寄っていった。何が始まるのだろうと目で追うと、鮮やかなハイジャンプでクロアゲハを捕獲し、悠々と見せびらかすように闊歩する。猫はかわいい動物?そんな定義がぐらつく。彼は無情なハンターだった。しばらくいたぶっていたが、最終的に隙を見て逃げていく蝶をうらめしそうに見上げていた。