深夜、ひっそりと静まり返った基地の中に、歌舞伎役者のような顔をした車両が並んで停まっていた。その間には職員用の細い通路があって、ちょうど消失点のところに、僕を呼んでいるかのような明かりが点いていた。両側を背の高い車両に挟まれたその通路は、どこか別の世界に繋がっているトンネルのようでかっこよかった。(森林公園検修区/東武鉄道)