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2018年08月31日号
中野を荒らす「違法テプラ」のなぞ

こんにちは、石川です。きのう新幹線で出張に行ったのですが、テザリング用のiPhoneを家に忘れたんですよね。もう虫の息じゃないですか。車内Wifiとかあるかな、と思って調べてみると、どうも車両によってはあるらしいんですよね。しかしその車両にあたるかは運なんです。

ドキドキしながら新幹線に乗り込み、パソコンのWifi設定を開きます。すると……そこには「JR-EASTなんとか」の文字。ありました!!ビンゴ!!
さっそく接続し快適に仕事を始めたところで、新幹線も駅を出発。数百メートル走ったところで、接続が切れました。
別の車両のWifiを拾ってただけでした…。

悲しい話のあとは、今週の自由ポータルです。



【入選】中野を荒らす「違法テプラ」のなぞ

作品画像

[作品名]【入選】中野を荒らす「違法テプラ」のなぞ
[投稿者]chocoxinaさん (chocoxinaのover140
[コメント]中野には違法なステッカーのノリでテプラを貼る人たちがいるようなので調査しました。「こういうの、あんまりフィーチャーしない方がいいんだろうな」と思いつつも、路上であのテロっとした光沢を見つけるとつい写真に撮ってしまいます。


#write($writerdata 'catalog_title') 林雄司 のコメント

ストリートに貼るステッカー文化が差異化を繰り返しているところに、テプラがテクノロジーとして枯れてきたのがバチーンとぶつかって生まれた感じがしますね。
面白い題材です。足で見つけているのも最高です。

「90年代の中小企業が全社員に作らせて、社用PHSの裏に貼らせてそうなテプラ」という例えもしっくりきます。
投稿者は若いのになぜこんなことを知っているのでしょうか。
まさに僕が20代の頃に働いていた職場の雰囲気です。総務の女性がテプラをにゅーっと出してました。

確かにこの手の題材は扱いにくいのですが、「みなお盆休みを取れる仕事または学業をしているらしい」などの考察も気になります。
さんざん違法テプラを見たあとに合法テプラを見たときの感覚も面白いですねー。



#write($writerdata 'catalog_title') 古賀及子 のコメント

グヮーっ! 興奮しました。読みながらおもしろくておちつかなくなってそわそわ腰が浮きます。これはすごい。ある限られた地域でこういうことが起きていて、強度をもって広がりを見せている。全く知らなかった者としてはよくできたフィクションを読むようでもありました。

徒党の分類も完璧ですし、自前のテプラ(テプラ持ってんだ! という驚き)を使っての再現や利用しているシリーズやフォントの特定という要素もたまりません。

ネタはもちろんおもしろいんですが、最後にさらっと書いてあるここからもわかるように

>みなお盆休みを取れる仕事または学業をしているらしい(その期間にぐっとラベルが増えたので)

すごく熱心に観察しているんですよね。書き手が夢中になって追っている感じも最高でした。

観察している対象が違法行為であることへの記事のはしばしからの最大限の気配りも最近のインターネットシーンに合わせていて泣けました。こういう面白いレポートを出して怒られたくないですよね……。



#write($writerdata 'catalog_title') 石川大樹 のコメント

いやーこれは…!めちゃくちゃに面白かったです。こういう、文化の話が大好きなんです。生まれたり消えたりするやつ。そう、文化って生まれたり消えたりするんですよね。
ネタ自体がもう抜群に面白いのですが、レポートとしても実に充実してます。まず入念に集めてるところと、抜かりのない分類。さらにテプラオーナーならではの考察の深さもありました。この枠はオリジナルだ、とか。こういうのはただの観測と違って、手を動かさないと見えてこないところなんですよね。それによってまた観測も深まるという。
変に何かを主張したりとかしないで、あくまでドライに観測しているのもポイントかなと思いました。すばらしい。
久しぶりなので、また次回作も期待しております!ぜひたくさん書いて下さい。




【あと一息】ドイツの日本人街で「新橋」を感じた

作品画像

[作品名]【あと一息】ドイツの日本人街で「新橋」を感じた
[投稿者]Satoruさん (ウィーンと私と、旅する子どもたち
[コメント]ドイツのことを書くつもりが、いつのまにか新橋のことばかり書いていました。


#write($writerdata 'catalog_title') 林雄司 のコメント

この街の雰囲気はあそこに似てるとかそういう話は大好きです。
ポジショントーク多めながら、自分でも「ポジショントークです」と書いてあるのでするっと受け入れられました。
「今日はトンカツにしようかナ、それともラーメンにしようかナ」という東海林さだお風のテキストでもデュッセルドルフの雰囲気が伝わりますね。
でも、やっぱりそのサラリーマンの写真が欲しいです。写真が難しかったらイラストでもいいのですが、それがあると分かりやすさが増すと思います。



#write($writerdata 'catalog_title') 石川大樹 のコメント

先週のこのコーナーの締めで「ネタは面白いことを書くための素材にすぎない」というようなことを書いたのですが、そのお手本のような記事だなと思いました。ヨーロッパの町を題材に、新橋の話を書く。レトリックとしても面白いですし、なにより新橋への思い入れがグイグイ伝わってくるんですよね。
記事としてはすごくよいので、欲を出してもう少しデイリー的なことを言わせていただくと、冗談を強調していくと文章に軽快さが出ると思いました。「これを永久機関のようにストイックにおかわりする人たちをよく見かけた。」という文がありますが、ここを「これを延々ストイックにおかわりし続ける人たちをよく見かけた。さながら永久機関である。」と順番入れ替えるだけで、せっかくの比喩が強調されて存在感出ますよね。あとは冗談自体のインパクトを高めるためにもっと遠いものに例えるとか。「これを延々おかわりし続ける人たちをよく見かけた。小学生のころに工場見学で見た、クリームパンに次々クリームを詰めていく機械、あれを思い出すほどの反復ぶりである。」みたいな感じでどうでしょう。




【あと一息】おしゃれコインランドリーデビュー戦記

作品画像

[作品名]【あと一息】おしゃれコインランドリーデビュー戦記
[投稿者]宮西野あやさん (置き場
[コメント]私が知らなかっただけでおしゃれランドリーはずいぶん増えてきているようですが、個人的には衝撃でした。


#write($writerdata 'catalog_title') 林雄司 のコメント

ニフティを退職したときに退職金をもらったので、それを元手にコインランドリーでも始めようかと思って人に相談したら、今はおしゃれコインランドリーがあるからいけるよ!と言われたことを思い出しました。北欧とかでは流行ってるらしいですね。
> 遠くでセミが鳴いている。
> 完全な無音ではないのに、ひんやりとした静寂。
> …あ、わかった。
> この感じ、病院の待合室と似てるんだ。
場所のレポートをこういう文章で伝えるのもありですね。
> あのコインランドリーは、さっきと同じように静寂を保っているのだろうか。
静謐な文章ですが、ややナイーブすぎる気もします。自分がそんな気持ちになっていること、それがこのコインランドリーになるのだというメタ視点があるとナイーブだけじゃなくて強さも出ると思います。




おわりに

健康に気を付けよう

今日は編集部の安藤さんにTipsを聞きました。

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体張って面白くなる人と、見ててヒヤヒヤしちゃう人がいます。その境界は健康状態ではないでしょうか。
健康な人ならちょっと無茶しててもまたやってるなと思うけど、「入院しました!」だと笑えないですよね。日々どんどん痩せていくとか。
ほんとに不健康じゃなくても、不健康キャラでキャラづくりしちゃうと不利なので気をつけましょう。
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