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特なことが何もなかった特撮ドラマ [2008.05.24]
特なことが何もなかった特撮ドラマ
大北です。このコーナーの管理人をしております。記事は火曜、動画は水曜担当です。
特なことが何もなかった特撮ドラマ
こんにちは、木曜担当ライターの工藤です。テングマン最終回に影響されてビールが飲みたくなりました。これからリアル石川君といってきます。

今回は『IT戦士テングマン「最終話・さようなら石川五郎」』について対談します。


今までのテングマンはこちら。
IT戦士テングマン「第1話」
IT戦士テングマン「第2話」
IT戦士テングマン「第3話」
IT戦士テングマン「第4話」
IT戦士テングマン「第5話」
IT戦士テングマン「第6話」
IT戦士テングマン「第7話」
IT戦士テングマン「第8話」
IT戦士テングマン「第9話」
IT戦士テングマン「第10話」
IT戦士テングマン「最大の危機」
IT戦士テングマン「最終話・さようなら石川五郎」
ではどうぞ。


北の国からと同じ気分で


大北:テングマンがついに終わりましたね。
工藤:はい、さっき見ました。さみしい気分でいっぱいです。北の国からの最終回を見たときと、いま同じ気分です。
工藤:あ、あれも五郎だ。
大北:おお!五郎に弱いんですね!
工藤:五郎好きだったんだ、僕。
大北:石川五郎って何かラーメンとか作ってそうな名前ですね。
工藤:頑固親父のラーメン屋ですね。客をしかりつけたり。
大北:しかも不味い、と。何かだんだん腹が立ってきました、五郎に。


近所の陶芸教室じゃねえんだぞ


大北:でも最終話はたしかにほろっときましたね。序盤の「いや、正確には」「テングマンの正体だった。」というのにぐっときたんですよ。
工藤:すてきな言い回しですね。
工藤:すてきなのか、こざかしいのか微妙ですが。
大北:そうですね、テキストで読むと鼻につくかもしれないんですけど、この動画だとウルッとくるんですよ。
工藤:僕もたしかにグッときました。
大北:でも直後に辞めた理由が「転勤だったから」というのが判明して「え〜っ!?」って感じでしたけどね。
工藤:そう、そんな理由かよ!って。
大北:近所の陶芸教室じゃねえんだぞ!って思いますよね。

特なことが何もなかった特撮ドラマ
近所の陶芸教室じゃねえんだぞ!

工藤:就活が忙しくなって辞める家庭教師みたい。
大北:現代っ子ですからね、五郎は。
工藤:地球をまもる重圧から解放されて喜んでるし。転勤先が小倉っていうのも妙にリアルですね。
大北:ああ、喜んでましたねー。視聴者に隙を見せまくってますね。「正直、ホッとしている」って正直に言いすぎですよ。
工藤:「後任の者ががうまくやってくれるだろう」って、あんまりにもあんまりです。
大北:あんまりですねー。


巨人帽の仮説


大北:ところで敵の謎って解明されたんでしたっけ?
工藤:どうやら抽象的な敵のようですね。
工藤:具体的な何かがあるわけではないように感じました。
大北:最終話でも謎が明かされないってアニメなかったでしたっけ?エヴァンゲリオンってたぶんそんな話だったような気が…
工藤:というか、謎自体が存在しないんじゃないかって気がし始めているんですが。
大北:謎自体が?
工藤:まるで謎があるかのように石川五郎はふるまっていますが、実は謎なんかはじめから存在しない。
工藤:ただの石川五郎の勘違い。
大北:石川五郎ってもしかして巨人帽かぶった安藤さんの…
工藤:ああああ、そういう人なんだ。おれはテングマンだ、選ばれた戦士なんだって思っている人なんですか。
大北:そう思いながら見返してみましょうか、最終話。
工藤:そうですね、見てみましょう。


深読みで観てみる


大北:電話のシーンが異常に怖くなりましたよ…
工藤:あのシーンにどんな意味が隠されているのか。
大北:あれ絶対ツー。ってなってますよね。かかってない。
工藤:エア電話ですね。
大北:新幹線も無賃乗車ですね、多分。
工藤:入場券しか持っていない。
大北:ひどい!
工藤:でも、石川五郎は正気に戻ったんじゃないでしょうか?「いや、正確にはテングマンの正体だった。」という台詞にそれを感じます。
大北:ああ、テングマンの引き継ぎなどもそうとれますね。
工藤:そうですね。転勤が決まって嫌な上司から逃れられるので、自分は戦士だっていう現実逃避をしなくてもよくなった。
大北:でも最後のテング面が恐ろしいですね。これヒーローの変身後の姿のはずなのに、ホラーみたいな画になってますよ。
工藤:あの恐怖感は何なんでしょうね。
工藤:小倉に転勤したら、悪の組織の一味になってたりして。
大北:エヴァンゲリオンだとか言っておいて最後の最後で60年代アングラ漫画みたいな天狗面バーン!って終わり方しますからね。(『ゲンセンカン主人』という漫画です)
工藤:つげ義春ですね。

特なことが何もなかった特撮ドラマ
天狗面バーン!

大北:特撮もののラストじゃないですよね、これは。
工藤:だって、特撮じゃないもんね。
大北:特なこと何もしてないですね。
工藤:オープニングの爆破シーンくらいですよね、特なのは。
大北:オープニングの爆破シーンですでにお面とろうとしてますからね。体の動きがそんな感じですよ。
工藤:あきらかにヒーローであることに固執していない感じですよね。
大北:なし!やっぱりなし!と言ってるような感じですね。
大北:バンジージャンプのような。
工藤:ぜんぜんやる気がないですね。責任感が欠如してます。


一気に見るとすごいおもしろい


大北:それにしてはよくもちましたね、12回も。期間にするとあっという間でしたが。
工藤:やっぱり12回もよくもったなっていうのが行きつく感想ですね。
大北:これ全部連続で見ると急激におもしろくなりますね。
工藤:僕も1話から見返してます。
工藤:みごたえありますね、このドラマ。
大北:自分の中でどんどんツッコミを入れながら見ていくと可笑しいです。変身しねーのかよ、的なやつを。
工藤:そうなんですよ、ベタベタなつっこみを入れると楽しさ倍増ですよ。
大北:今までの僕らは視点を複雑にしすぎてましたね。もっと楽に見てよかったんですね。
工藤:素直に楽しめるおもしろドラマですね。特撮ヒーローだと思っちゃいけないんです。
大北:じゃあこれ以上語ることはムダなような気がしてきましたね。みんなにこの週末に最初から見てもらって。
工藤:そうですね、もう一度見直して欲しいです。
大北:深読みせずに風呂上りとかにヨーグルト食いながら見てもらいたいですね。


大北・工藤のおすすめの回


工藤:大北さんの一番のお気に入りの回は何話ですか?
大北:「最大の危機」の回、11話目ですね。すなおにバカ度が高い感じが好きです。
工藤:あれはまぬけっぽさがよくでていました。
大北:多才だぞ、五郎!の回も笑いましたけどねー。工藤さんはどれが?
工藤:僕は6話目のが好きです。居酒屋で酔っぱらっている。ヒーローもので、ヒーローがカレー好きとかあんパンに目がないとか、そういう設定なんでしょうね。
大北:好物=酒。どんなヒーローなんだそれは。ところでこれ撮影はリアル飲み会ですよね。
工藤:あれは、石川五郎じゃなくて石川大樹ですよね。
大北:ほんとだ。リアルすぎる石川大樹ですね。
工藤:まごうことなく石川大樹です。後ろの席に座っている。
大北:ありがたみが全然ない!
工藤:でも、本当にヒーローが世を忍んでいるんなら、石川君みたいなタイプが適任でしょうね。
工藤:悪の組織から疑われる心配が全くない。


大北:思わず話が石川五郎から完全に石川大樹のことになっちゃってるのでこの辺りでお別れしましょうか。
工藤:そうですね、僕は石川五郎も石川大樹も大好きです。
大北:それではどうもありがとうございました。
工藤:ありがとうございました。
△いちらんへ

 

 

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