宇宙人はそう言って文房具屋に入ってきた。
慣れた様子で店の奥まで行き、そこにあった小さなイスに宇宙人は座った。
「2、3見つくろってもらおうかな」
店の主人が無言で消しゴムを3つ渡すと、宇宙人は嬉しそうにそれを口らしきところに入れた。
「大将の店の消しゴムは本当においしいなあ」
ゆっくり味わうように消しゴムを食べ、代金を主人に渡して宇宙人は帰っていった。
「うちの店の消しゴムがすごくおいしいって言うんですよ。普通にメーカーから仕入れてるだけなんですけどね」
と主人は困ったような笑顔で言う。
はじめはテイクアウトのみにしていたらしいのだが、そのうち押し切られてイートインもはじめたのだとか。
「のれんも、これがあるほうが飲食店ぽいって、勝手につけられちゃってね」
のれんを許可してイートインとか言ってる時点で、実はあんまり困ってないなって思った。 ( 2009/06/29 01:18:00 )
|