幼稚園といえば、当時極端に人見知りだった私は、全園あげてのおゆうぎ会などでは客席のほうを向くことができなかった。 それ以前に、皆で行進して体育館みたいなところに入っていく段階で、すでに極限状態で倒れそうだった。 顔を真っ赤にして下を向いて歩くと先生に「ほら上向いてー」といわれてしまうので顔を上げて歩くのだが、席についている皆が自分を見ているようでたまらなかった。 そこでいいことを思いついた。寄り目にするのだ。
寄り目にすると、世界がぼやけてみえる。
堂々と歩けた。寄り目だけど。 自分にはすごい能力があると思った。 以来小学校に上がるまで、寄り目は超能力だと信じていた。
( 2007/02/09 11:00:00 )
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