まさお「はかせ、それから『夜のお仕事』はどうなったんですか?」 榊原博士「うむ・・・それは、また別の機会に話すことにしよう」 ゆみこ「でも、気になるわ。そもそも彼はなぜ、『夜のお仕事』なんてはじめたのかしら」
榊原博士「彼は人混みが大嫌いでな。ちょうどクラブ活動をはじめることになったのが、年末じゃった」 まさお「年末っていったら、クリスマスやカウントダウン・・・街中は人混みだらけだ」 榊原博士「そしてもうひとつ、その人混みを造り出すものが年末に出現するのじゃ」 まさお・ゆみこ「イルミネーション!」 榊原博士「その通り。彼は『既存のイルミネーション至上主義に対するアンチテーゼだ』などと言っとった」 まさお「なるほど、つまり作為的につくられた電飾に対する反抗なんですね」 ゆみこ「地下道の明かりも、工事現場も、彼にとってはみんなイルミネーションというわけね」 榊原博士「世の中が浮かれまくっとる年末年始に、彼はひとりでそんなものばかり撮影しとった」
ゆみこ「なんか・・・寂しい人生ね」 まさお「大衆に迎合するのも楽しく生きる術のひとつだと思いますけど」 榊原博士「そうじゃな・・・ま、彼のことはこのくらいにしておこう」 ゆみこ「彼はその後どうしているのかしら?」 まさお「もう・・・、『夜のお仕事』は見られないの?」 榊原博士「『夜のお仕事』は誰の心の中にでもあるのじゃよ」 まさお「そうか!じゃあ僕もこれからは自分のイルミネーションを探すよ!」 ゆみこ「わたしも大人になったら『夜のお仕事』をするわ!」 榊原博士「うむ、『夜のお仕事』の未来をつくるのは君たちじゃ」 まさお「人の営みのあるところに『夜のお仕事』はあるんだ」 ゆみこ「『夜のお仕事』はみんなの心の中で永遠に続いて行くのね」
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1ヶ月間ご覧いただき、ありがとうございました。 またいつかDPZでお会いできたらいいなと思っています。 ダムの写真集とイベントもよろしくね。 ( 2007/01/31 11:00:00 )
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