大人でも迷子になることがある。
先日はカラオケボックスで飲んでいて、トイレに出たあと自分の部屋がどこだかわからなくなってしまった。
その場合、一番の解決策は店員さんに「すいません、僕の部屋はどこですか?」と聞いてみることだが、プライドが邪魔をしてそれはできない。 子供が迷った時に周りの大人に助けを求めないのと同じ理由である。
しかたがないので、順番にひと部屋づつこっそり中をのぞいて、楽しそうに歌っているグループや、ぴったりくっついて歌っているカップルを見ては、「ここはちがう」とがっくりしながら、フロアをさまようのだ。
ようやく知った顔が並んでいる部屋を見つけたが、中をうかがうと、僕がトイレに立つ前より皆が楽しそうにしている気がする。
もしかするとここも、僕の帰る部屋ではないのかもしれない。 大人の迷子は、帰る場所が見つかっても、解決しないときがある。 ( 2007/01/01 00:00:00 )
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