デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


はっけんの水曜日
 
ハノイの満月、楕円の花環

 

市場にも行った。ここはハノイでいちばん大きい、ドンスアン市場。衣料品や日曜雑貨、食料品が売っている。女性用のシャツを2枚ほど買ってみたが、値段は各60000ドン(420円)。ベトナムには定価の概念がないそうで、全品オープンプライスなので、適正価格かどうかは分からない。これらの市場は閉まってしまうのが17〜18:00と結構早い。
しかしコドモ向けの服が目にまぶしい。幾つか見ているうち、「どうしてベトナムの人は、日本人ならここ白くするぞーっていう部分を黄色く塗ってしまうんだろう?」と考えているうちに、私はひとつの結論に達した。



なんかこう、色の使い方が、プロパガンダ・アートっぽいのだ。
プロパガンダ・アートとは、特定の思想や目的を伝達するための芸術なわけで、上の写真は、ハノイ市内の現役ポスター。これもばっちりプロパガンダ・アートの絵。



ちなみに平和な今は、プロパガンダアートグッズ屋さん「P」なんていう店もある。古いポスターが純粋インテリアとして、画廊で売られていたりもする。



『P』はハノイ大教会のそばにある。ネオゴシック様式。でも現在のベトナム人の8割は仏教徒だそうだ。
コスプレイヤーの人は撮影ツアーに来るといいかもしれない。他にも、絵になるスポット満載なので。



なんだが線路がむき出しであった。「線路も」と言おうか……。ベトナムには山手線みたいに、こまめに近距離を止まる電車はないので、これは都市をむすぶ、遠距離の線路。


ホアンキエム湖そばで、「ベトナムの雑草ってどんなんが生えてるんだ?」と見たら、なんかアメリカ芝みたいなのが、みっしりと根をはっていた。日本の雑草より強そうであった。


カフェで飲んだベトナム名物カフェ・スア・ダー、要するに濃いめのコーヒーに練乳と氷を入れたもの。日本で飲んだときは「ああああ甘っ」と思ったが、気温の高いハノイで飲んだらちょうどよかった。道ばたで飲むと5000ドン(35円)くらいだが、おしゃれ店で飲むと15000ドン(105円)以上した。


ある服屋で。セーラームーン、ピカチュー、ドラえもんはしっかり根付いてるみたいだった。「ちびまる子ちゃん」は一回も見なかった。

 

おしゃれカフェ屋「ブラザーズ・カフェ」の8ドルのランチ。小奇麗なボーイさんがうやうやしく、ビールをついでくれる。ベトナム料理のバイキングなので、ひと通り食べられておトクではあるが、味はまあまあ。ひとつ、石鹸みたいな味のサラダがあったが、あれは何なんだろう。



道ばたに、さりげなくココナッツが置いてある。そう、ここは南国。でもハノイには四季があり、冬はジャンパーが必要らしい。南のホーチミンは常夏。



生理的に嫌な感じの花環。こういうの見ると、「外国人とわかりあえなくたって、しょうがないかな」「わかりあえなくてもいいから、違うんだなーって思えばいいかあ」と思ってしまう。


ハノイ唯一のデパート、チャンティエンプラザの上のほうにある、ミニ・スナックランドみたいな場所で食べたソフトクリーム。コーンが異常にちいさかった。ミルクは濃厚。



ハノイの道ばたで食べたフォー・ボー。豚の汁そば。今考えると、ベトナムで食べたフォーの中で、いちばん美味しかったかもしんない。店の名前は失念。
しかしベトナムは薬味に必ず「ドクダミ」が入っている。ドクダミ、食べてみたけれど、最後まで慣れなかった。一日中ドクダミ味のげっぷがして、つらかった。「日本でも、ネギが嫌いな外国人は、ネギ超信じらんないって感じなんだろうなあ〜」と想像した。



水上人形劇。人気があるらしく、夜にチケット買いに行ったら、翌日の最後の回しか買えなかった。言葉は分からないが、「どーやって動かしてんだろ?」と悩んでいるうちに、1時間はすぐ過ぎる。最後のカーテンコールで、水に腰まで浸かった人形使いのみなさんが出てくるのだが、「あれは腰痛持ちだったら出来ないな〜」と思った。

1日歩いて、天井を見つめる。手帖にいろいろと書き込む。

・ハノイの市街地はせまくて、原宿から渋谷まで歩ける人なら、歩きつくすことができる
・女の子の身体が小さく、日本のSサイズが平均なので、服のタケがたいへんに短い(腰の位置が高いのか?)
・やはり身体が不自由な人も、ふつうにいた
・フォーとか、地元人が7000ドン(49円)で食べているところを、8000ドン(56円)を要求されたり、たいへん微妙にボラれる。これを個人的に「微ボリ」と名付ける。
・というか、日本でビビっていた想像より、ひどい目には逢っていない。高めの店では、ちゃんと笑顔のサービスを提供している。ガイドブックで書かれていたことが、どんどんどんどん古くなっていっているのかもしれない。
・でも欧米人の客のほうを、大切にしている気もちょっとする。欧米人がまた、なんだか自信まんまんに見えるのは気のせいだろうか。外国に行っても、自分の国の言葉が通じるってどんな感じなんだろう。分からない。
・どこが常識の底か分からなくて、不安なままだ。一人旅をよくする人って、毎回こんな思いをしているのか? 知らなかった。

ホテルの冷蔵庫には、ハイネケンが入っていた。ハイネケンの看板も何度か見たし、海外ビールの中では、いちばん普及しているようだった。
私はそのハイネケンは飲まず、中国人のやってるスーパーで買ってきた333(バーバーバー)を飲んだ。うすめの味のベトナムビール。BGIビールというやつも飲んでみたが、えらくマズかった。

さあ、明日は日本語ガイドをチャーターした「バッチャン(焼き物の町)」へのツアーだ!(つづく)



 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.