砂に書いたラブレター消しに
過去の失恋の傷をきれいさっぱり清算できれば、きっと新しい恋もできてそりゃあもうバラ色の人生がはじまるに違いない!すばらしい!!
そんな野心に満ちた今回のミッションのため、新潟県の海岸を迷わず選んだ。日本海だ。やるからには派手にやってやれ。例えば白い砂浜に書いたアイツの名前、波で消すほどに。
調べてみると、18きっぷで目的地へ日帰りで行くには当然のごとく始発に乗るようだった。
早起き上等、計画決定。
行ってきます
当日、夏の朝とは思えない暗さにビビりつつも無事始発に乗り込んだ。
新潟は遠い。往復16時間電車に乗る。そんなに長い時間移動ばっかして大丈夫か。なんか体にさわるんじゃないか。そもそも本当に今日一日で行って帰って来れるのだろうか。
確かに電車は1本でも乗り逃がすと目的地には行けないし、帰っても来られない。 鉄道の旅には魔物が住んでいるのだ。
なんどかある乗換えが心配だ。時刻表を持つ手に汗がにじむ。
いきなりナーバスになるなか、落ち着きをなくしてきょろきょろ周りを見渡すと朝の車内ではおもしろいぐらいにみんな寝ていた。
どうやってこんなに朝早く電車に乗るのだろうと思っていたが、単純に家で寝ないで電車で寝てるってことなのか。
なんとなく緊張がほぐされる
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