ナビゲートしてくださったのは、台湾華僑2世の簡憲幸さん、日華資料センターの黄東生さん。スペシャルゲストとして1世で自由新聞(華僑のための新聞)社長で、黄東生さんの父である黄清林さん。
主に説明をしてくださったのは、簡さんだ。
「まず、基本的なことを説明しますね。華僑って何だがご存じですか? 中華民国(台湾)および中華人民共和国の国籍で、生活の場を求めて海外に渡ったのが華僑、その子孫で現地の国籍を持ってる人を華人といいます。でも日本の台湾華僑の場合、他の国の華僑と比べると、ケースがちょっと特殊なんですよ」
皆一斉にメモをとっていた。私もメモる。華僑の僑の字は「借り住まい」という意味なんだっけ、と本で読んだことを思い出した。
「台湾人の華僑はですね、もともと戦争中、日本統治時代に、日本に留学に来たり、台湾で日本教育が行われていたり………そういう事情がありますから、特殊なんです。
戦後すぐに日本にいた台湾人は、戦勝国の人間として、利権をもらうことができたわけです。商売にいい場所を手に入れられたんですね。新宿、渋谷、池袋、新橋あたりです。新宿で、日本でいちばん最初の喫茶店なんかをやったのも、台湾の華僑なんですよ。一生懸命、商売をしてお金を貯めてから土地をかった華僑もたくさんいます」
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