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丸子亭、中野ブロードウェイの2Fにあります。 |
じねんじょを食べる
私たちは中野に11時30分に集合した。
中野ブロードウェイの2階に、自然薯(じねんじょ)専門店があるというのだ。
じねんじょは、山に自生する、日本原産の野生のヤマイモのこと。
酵素を多く含み、カルシウム、鉄分、リン等のミネラルやビタミン類も豊富で、「疲労回復、成人病、ガンや糖尿病予防」に効果があるそうだ。ほほう。
ちなみに、スーパーで売っているヤマイモは中国から伝わったもので、じねんじょとは違う種類らしい。
カウンターとテーブル席ひとつの狭い店内に入ると、ボタンダウンのシャツを着た青年と、新聞を読んでいる50歳くらいの男性が、麦とろを食べていた。
麦とろ愛好者は、なぜか「こざっぱり」しているように見えた。なぜだろう。
テーブル席に座り、麦とろ定食を注文して、しばし待つ。
「あのさあ、Rちゃん」
「なに」
「Rちゃんって、じねんじょ初めてでしょ?」
「そうだよ、麦とろ自体は好きで、たまに食べるけど」
「……私さあ、麦とろって食べたことないんだけど……」
「えっ」
「いやあ、小学校の頃、ヒジキとかトロロとか苦手で、肉とゴハンばっかり食べてて……今は年とって味覚が変わって、ヒジキも大好きだから、大丈夫かなーとは思うんだけど」
「うーん……でもねえ、この定食って麦とろ食べられなかったら、全くダメなんじゃないの?」
「……そういうオカズ構成だよねえ」
「たぶんね」
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