スーパーのおはぎの熱さについては誰もが一目おいていることと思う。いまさら私がなにかをいえるようなことではないと遠慮する日々であった。
しかし、季節は春。新年度の幕開けにあたり改めてスーパーにおけるおはぎというものを確認しておくのもいいかもしれないと思ったのだ。
新年度、あけましておめでとうございます。店内製、荒つぶしの粒あん、しょっぱい、田舎風。そんなスーパーのおはぎの魅力に迫ろう。
主婦の店さいちというレジェンドのもとに
スーパーのおはぎという文化がいついかに成熟したかについては勉強不足で私の力量では解説できない。
ただスーパーといえばおはぎ、という道筋をたてたのはスーパー界の生ける伝説といえるであろう秋保温泉の「主婦の店 さいち」だというところはひとつあるだろう(さいちについてはこちらに詳しい記事が)。
スーパーのおはぎの多くは大ぶりで、あんこがぼさぼさしている。これはさいちのおはぎの影響下にあるといえるのではないか。
スーパーのおはぎには3種類ある
こういったさいち型か否かの前に、スーパーに売られるおはぎには大きく分けて3種類が存在することからまず説明しておこう。
3種類というのはずばり、
(1)和菓子コーナーに陳列されているもの (2)近県の惣菜メーカーが卸すもの (3)店内にあるキッチンで作られたもの
この3つだ。
本稿で「熱い」というおはぎは主に(3)を指す。百歩譲って(2)もいいだろう。ただ、(1)は該当しない。
「スーパーのおはぎ」は惣菜であり和菓子ではない
ではなぜ「(1)和菓子コーナーに陳列されているもの」は熱いといえないのか。
そもそも今回私がほえるタイプのおはぎは「和菓子」ではないのだ。ではなにか。「惣菜」なのだ。
熱いおはぎは和菓子コーナーにはならんでいない。惣菜コーナーに、おにぎりやお赤飯とならんでいる。
特に(3)の店内キッチンで作られるおはぎになると、惣菜コーナーの一角におはぎ専用のコーナーが設けられることも多い。
(1)のように団子やまんじゅうなどと一緒に和菓子コーナーに並ぶおはぎには、スーパーのおはぎ特有の勢いのようなものがないのだ。
こぶりで上品なものが多いように思う。
私は(1)のおはぎはいわゆる「スーパーのおはぎ」ではないと思っている。ややこしい話になってしまって恐縮だが、あれは「スーパーの和菓子のおはぎ」なのだ。
おはぎに貴賎はない。(1)のおはぎもまたおいしいおはぎであることには間違いないのだが、いわゆるシーンに即した熱さはないと断言する。
惣菜として扱われるスーパーのおはぎは粒あん原理主義であることが多いのと違い、和菓子のおはぎは粒あんだけでなくこしあんを展開しているのも大きな違いだ。
熱いおはぎにはこしあんのおはぎは不要だと私は信じている。
しょっぱい、それがスーパーのおはぎ
和菓子のおはぎとスーパーのおはぎの違いをお伝えしたところで、今回見つけた分類(2)、(3)にあたる熱いおはぎ、スーパーのおはぎたちを食べていこう。
こういったおはぎは ・ご飯部分のご飯があらつぶし ・粒あんもあらい ・あんこがしっかりしょっぱい ・総じて、田舎の郷土料理感が強い のが特徴である。そのあたりを注視していきたい。
まずは近県の惣菜メーカーから卸されたおはぎたち。
あんこの粒つぶ感がしっかりと残っており高感度が非常に高い。サイズもおおきめでしっかりしょっぱい。さすがだ。
スーパーのおはぎは塩大福や塩ようかんのような和菓子特有のしょっぱさをいかした味わいが特徴だというのは分かっていたが、ライフはその域すら超えるしょっぱさだった。
スーパーのおはぎ、これからも目を離すまい。特にライフのおはぎは定期的に食べよう。
さいちに行ったことはないのです
朗々と歌い上げるように書き連ねてしまったが、実はわたしは「主婦の店 さいち」は未体験なのだった。
今年度中には行きたいものである。よい新年度の目標が見つかった。