タコライスという料理のネーミングが、どうしても納得いかない。だって「タコライス」なのにタコが入っていないんですよ。
世の中のルールがそうなのならば、己が変わるしかない。タコライスにタコを入れてやろうではないか。タコライスだからタコ飯だ!
タコライスとはなにか
タコライスという食べ物をこの年まで食べたことがなかったのだが、先日ファミレスの期間限定メニューにあったので、ちょっと食べてみることにした。
タコライスというのが、タコスの具をライスに乗せて食べる沖縄料理であり、「タコス+ライス=タコライス」というのは知識として知ってはいたのだが、実際に食べてみると、やっぱりタコが入っていないということに悲しみを覚えた。 タコライスを直訳すれば、やはり「蛸(タコ)飯」となるだろう。なのにタコが入っていないことに、きっと今までに何人もの人ががっかりしてきたはずだ。 ならばタコ飯を使ったタコライスを作って、誰も悲しまないタコライスを流行らせて、世の中から悲劇の元を一つ減らしてやろうじゃないか。
タコ飯でタコライスを作る
タコライスの味付けがよくわからなかったので、市販の缶詰を沖縄のアンテナショップで買ってきた。 それにしてもタコス用ではなく、あくまでタコライス用の缶詰が売っていることに驚いた。大阪のタコ焼きみたいに、沖縄ではタコライスを自宅で作るのなのだろうか。
タコライスの缶詰に作り方が書いてあるかと思いきや、特に書いてなかった。パッケージの写真を見ればわかるだろうということか。 具はトマトとレタスとチーズがスタンダードらしい。これを適当な大きさにカットしたら、もう下ごしらえは完成だ。
タコライスという料理を初めて作ったけれど、ものすごく簡単。 すし太郎で作るちらし寿司だって錦糸卵くらい作らないと様にならないから、それよりも簡単な料理だな。 沖縄出身の女性が彼氏に初めて作る料理に占めるタコライスの割合は、きっと肉ジャガよりも高いのだろう。
これが正真正銘のタコライスだ!
タコ飯にたっぷりのタコミートを乗せ、その上にチーズ、レタス、トマトをトッピング。 タコ飯のタコが隠れてしまったので、頂上に足を一本置いてみた。
ご飯の中からタコが足を延ばしているみたいでかっこいい。 どうだろう、これこそ本物のタコライスといえないだろうか。
スプーンでガッポガッポと食べてみると、これが飛び切りうまかった。 まずご飯をレタスやトマトなどの生野菜と混ぜるという食べ方が気に入った。これはタコライスの手柄なのだが。 そしてやはりご飯が白米ではなくタコ飯にバージョンアップしていることで、味の奥行きが増している。アクセントとなるタコの歯ごたえもいい。
だが食べ進めていくと、味の要素が多すぎて、ちょっとうるさいような気がしてきた。 これはこれでご馳走なのだが、ピリ辛のタコスミートには、白いご飯というシンプルな組み合わせが正解かなという気もする。明太子には白飯が合うように。 どうしてもタコライスにタコを入れたいのであれば、ライスは普通のご飯のままで、トッピングとしてちょっと加えるくらいがいいですかね。
料理は足せばいいってもんじゃないですな
タコライスっていう名前なんだからタコを入れるべきではないかという疑問は、実際にやってみることで、別に入れなくてもいいかなという結論に辿りついた。
だがしかし、 料理というものは味の完成度以上に、ダジャレであったりトンチが大切なこともある。
次回は酢蛸を使ったタコス、「酢蛸タコス」に挑戦したいと思う。