聖人は奇跡を起こすものだが、その数で弘法大師の右に出るものはないだろう。
「弘法筆を選ばず」などの諺でも知られる彼は、杖をついて水を湧かすなど、一説によると全国で5000件もの奇跡を起こしているらしいのだ。
1日1件としても13年かかる計算である。いくらなんでも忙し過ぎじゃないだろうか。
たとえば渋谷区神泉
東京の渋谷駅にほど近い神泉という町は、神の「泉」と書くとおりかつては水の湧く土地だった。
そしてそれを湧かしたのは何を隠そう弘法大師なのだ。
西新井大師の井戸も弘法大師が湧かしたし、元麻布にある「柳の井戸」も弘法大師が湧かしたことになっている。
それらはもちろん伝説なのだが、しかしここでは全てを信じたい。人を疑うのはよくないことだ。
もう一例いこう。
こういう例は実は全国に満遍なくある。実際、弘法大師の伝説を集めた本もあるくらいなのだ。
そして今回、これらの本を参考にして、弘法大師がどこで何をしたかのリストを作った。
5000件の伝説が真実なら弘法大師は相当忙しかったはずである。
この一覧を地図にマッピングし、必要な移動距離とその速度などを割り出してみたいと思う。