タイの朝
タイにはバックパッカー用の宿がたくさんあったけれど、トルノスは飛行機のチケットだけでなく、ホテルの予約もできるので、利用した方がより安全で安心な旅になる。
朝は早く起きてアユタヤを自転車で走った。屋台は朝から賑やかで、女学生がお弁当を屋台で買ったりしていた。屋台では一部英語が通じなかったけれど、女学生が僕の英語をタイ語に訳してくれたりとやっぱり優しかった。
そして彼女はかわいかった。彼女は女性だよな? と疑ったりもしたけれど、きっと彼女は女性でいいと思う。いい旅の思い出としてそうすることにした。
この日はもう日本に帰らなければならない。これが安藤さんでなく母親だったら、子供のように「やだやだやだ帰りたくない!」とおもちゃをねだる子供のように言ったことだろう。でも、それはもう決まっていること。まずはアユタヤからバンコクへと戻る。
電車は相変わらず、なぞの停車があったり、そこそこの規模の火事が起きている横を汽笛を鳴らしながら走るというなんの解決にもならない方法で走り抜けたりと非日常で楽しい。火事の横を走るときは頬が少しその火で熱かった。テーマパークにはないリアルがある。
空港へ
駅の近くで最後のタイでの食事をして空港へと向かうことにした。帰りたくないと切に思う。こんなに手軽で快適な旅は日本でもそうない。そんな旅をまだ続けたい。と思いながら食事をした。やっぱり美味しい。でも帰らねばならない。一方的にフラれたような気持ちになった。
空港へは途中で電車を乗り換える必要がある。その乗り換えた電車が怖ろしく綺麗で、今までタイで乗ってきた電車とは海と膿くらい異なった。あんなに馴染んでいた僕が急に浮いた。アユタヤから日本に近づくにつれ浮いてきた気がする。あ〜僕は帰るのだと実感した。
浮いた! と思った次の瞬間に僕のお腹がグルグルと言い出した。何かに当たったのかもしれない。タイが僕を日本に戻したくないと思っているのだろうか。そう考えるとタイにむしろ歓迎されている気がして嬉しい気がした。
タイ人帰国!
着替えるのが面倒だったこと、テンションが高いままだったこともあってタイでの格好のまま飛行機に乗った。ディズニーランドを出てもミッキーの耳を付けている人と同じだ。アレを今までバカにしていたけれど、謝りたくなった。楽しい余韻に浸っていたいその気持ちが、今は痛いほど理解できる。
飛行機は快適であっという間に日本についてしまった。タイの気温は30度。戻ってきた日の日本の気温は9度だった。寒い。タイに戻りたいと思った。もうタイ人の発想である。それくらい楽しい旅行だったのだ。
また行きタイ!
ほぼ初めての海外旅行は本当に楽しいものだった。嬉しくて楽しくて犬なら漏らしていたと思う。
そしてコンビニ袋でなんの問題もなかった。盗まれたら困る、と思うものが何一つないので国内より気楽だ。こういう旅行スタイルはありだと思う。
タイはこれから8月まで雨期らしく飛行機代も安くなるみたいなので、近くまた行きたいと思っている。今度はバンコクから鉄道とバスでラオスまで行こうと計画中だ。完全に海外旅行にはまってしまった。
旅に出よう!と思い立ったら「トルノス」へ。コンビニ袋一つで出かけられます。