玄関の蛍光灯が切れた。買い換えるまでのあいだ玄関を上がってすぐのところにスタンドライトを立てておいた。そこへ来たなじみの宅配便の若いお兄さんがいったのだ。「おっ、間接照明ですか?」と。
確かにいつもは雑然としている玄関が、壁や天井に反射した光でやけにムーディーであった。
間接照明への照れとあこがれ
玄関はすぐに蛍光灯を入れ替えたため我が家のなんちゃって間接照明はすぐに撤去とあいなった。
せっかく玄関がムーディーになったのだからそのままでもよかったのだが、あまりにもなんちゃってすぎる上に「うちなんかの片付かない玄関に間接照明て!」という照れもあった。
そう、間接照明ってちょっとおしゃれすぎて照れくさいじゃないか。
恥ずかしくない間接照明を、瓶で
しかし、宅配便のお兄さんの発言以降私の中に間接照明おそるるに足らずといった変な自信と、いつか我が家にも! という親しみが芽生えるようになったのは確かである。
そしていよいよ今日、私は間接照明を自宅に設置したいと思う。
瓶で作った、その名も瓶接照明だ。
瓶と間接照明のちょうど良さ
間接照明というものがちょぴり気恥ずかしいというのは今だにそうだ。しかし、その間接照明が実は瓶だったらどうだろう。
「間接照明なの! 瓶の!」
気取らないこの感じ。ちょうどいい。しかも点灯したらしたでムーディーなのだ。
気取らない上にちょっとオシャレでムードがある。なんだなんだ、瓶接照明。もし人だったらものすごいモテそうだぞ。
簡単な仕組みのものを
瓶を使った間接照明作りにあたる言い訳が長くなったが、そろそろ作り始めよう。
実はそっと告白すると工作と理科(電気の仕組は特に)は大変に苦手である。ここは失敗しないよう安全に安全にと、電球を取り付けるだけの電源付きソケットと電球を買ってきた。
どうするかというと、そのまま瓶をかぶせようというのだ。
以前、瓶をランプシェードにしたペンダントライトを見たことがあるが、その逆を作ろうというわけだ。
これなら何も考えずに私でも作れるはずだ。よし、一気にやっつけよう。
簡単なことができない1日
工作が苦手な人が工作をすると、もくろみ通りにはいかない。そういうものだ。
経験上それはわかっているつもりであり、だからこその超シンプルを目指したのだったがそれでも結果丸1日、店と自宅を行ったりきたりして終わってしまった。
コンセントの電源をそのまま豆電球クラスの小さい電球に直でつないで電球を切らせたのには自分でもびっくりだ。小学理科、苦手すぎるだろう。
さあどうしよう。電源をコンセントではなく電池にするか。それとも、瓶に入る小さいLEDの電球を探すか。
あっさり作戦変更
そんなとき、C1000の空き瓶が手元にあと2本あることに気づいた。
そうか、瓶1本じゃなくてたくさん使えばいいんだ。
空き瓶のほかに新たに2本も購入、全部で5本を使う工作に切り替えることにしよう。
瓶で電球を囲んで光さ反射させるべ
そもそも1本の瓶で作るよりも瓶をたくさん使ったほうが光が反射してよりいっそうムーディーになるはずだ。ここは災い転じて福となしたい。
工作も2日目。時間的にもここで成功させなければならない。これで失敗したら私の人生には2度と間接照明を自宅に設置するチャンスはないだろう。
おおおおお(気合いを入れています)。
出でよ、ムーディー
当初のもくろみとはずいぶん違ったものができたが、より照明器具らしいものができたのではないかと思う。
さあどうだ、夜を待ってスイッチを入れよう。私の夢を乗せて、点れ、点ってくれ瓶接照明よ!
子どもさんの自由研究にいかがでしょうか
作ってみて、最初にふわっと出た感想は「完璧な自由研究だ!」というものだった。
電気(理科)と工作(図画工作)の要素が入った学習性に空き瓶を使うというエコ性。しかも1時間もかからずできる。8/31に小学生があわてて作る自由研究作品としては満点である。
ムードを求めて着手した瓶接照明。まさか自由研究というところに着地するとは思わなかったが、子どものころ自由研究でさんざん苦労した私としては大満足だ。
サイバーに照らされる突っかけサンダル