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ひらめきの月曜日
 
ひとの通勤についていく

要町〜新宿三丁目

最後は一番短い通勤経路の副都心線。短い中にどんな工夫があるのか?



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新宿三丁目まで急行で5分!


今回紅一点のconpppさん

要町から新宿三丁目まで副都心線で通勤しているのはconpppさんだ。conpppさんはデイリーポータルZは知らないけれど、ツィッターの募集を見て面白そうだからと応募してくださった、なかなか勇気のある方だ。

−−ルートとしては、要町から新宿三丁目まで乗り換えなしですか?
「乗り換えなしで行くこともあるんですが、池袋で急行に乗り換えることが多いですね」

−−確かに副都心線は急行運転ありますね。急行に乗ると早いですよね。
「そうです、池袋から新宿三丁目まで5分です」

5分! 池袋から新宿まで5分! 改めてきくとやっぱりすごい。ちょうど1年ほど前、池袋から新宿まで丸ノ内線と走って競争したことがあるけれど、25分ぐらいかかった。それを思うと5分って早すぎる。どんな未来だ!

池袋での乗り換えがちょっとややこしい


要町ではホームの一番端から乗っても……
8両編成だと、池袋ではこの辺で降ろされる

−−要町のホームの端っこから電車に乗るのは、やはり新宿三丁目で降りる場所を見越してこの場所ですか?
「そうですね、ただ、要町で8両編成の一番後ろの車両に乗った場合、池袋で乗り換える場合、10両編成の8両目の場所に止まってしまうので、池袋で2両ぶん後ろに歩かないとダメなときがあるんです」

要町と池袋では電車の停止位置が違うため、こういう複雑な乗り換えをしなければいけないのだ。

何に乗れば早く着くかアナウンスで教えてくれる


土曜日の午前中なのでそんなに混んでいない

−−池袋で降りて、次にくる電車が普通だったら、一本見送って急行にのりますか?
「いや、そういう場合は普通に乗ったほうが早いです。だいたいは(池袋で急行に乗り換えたほうがいいかどうかも含めて)何に乗ったら早く行けるかはアナウンスで教えてくれるので、それにしたがって乗ってますね」

そういえば、急行、普通のダイヤが複雑な路線は、どんな鉄道でも、早く行ける方法を親切にアナウンスしてくれている。今まで当たり前すぎて意識にものぼらなかったけど、アナウンスって偉いしなによりもかっこいい。電車に乗ったら車内アナウンス真似したくなる気持ちがちょっとわかった気がした。

副都心線は健気で可愛い子


スゴイ速さの、健気で可愛い10000系 

conpppさんはさらに続ける

「副都心線は時間帯によっては昼間でも人が乗ってなくて、貸切状態って時もあるんですよ」
−−昼間で貸切状態ですか? 副都心線意外と穴場ですね……。
「穴場ですよ、この子、地震の時とかでもあんがい動いてくれるので……」
−−この子ですか(笑)
「この子は(笑)いい仕事してくれますよ!」

やはり、普段使う路線に対しては、どんな子でも愛情が芽生えてくるものかもしれない。 副都心線の10000系はまるっこくて可愛いくてきれいだし。東上線、西武線、有楽町線のどれかでトラブルがあると運行に影響が出てしまうほどの繊細さ、でも地震の時は頑張って動いてたという健気さも含めて、女の子のハートをくすぐる何かがあるかもしれない。

帰りは各駅で帰ることも


車掌室からみる景色も面白い 

−−帰りは池袋で降りてバスに乗るんですよね?
「ええ、池袋から家の近くまでバスがあるので、それに乗るんです。朝も池袋まで乗ってもいいんですが、急行の時間に微妙に合わないんですよね、あと、帰りは疲れてるので、急行には乗らずに、わざと各駅停車に乗って座って帰ったりしますね」

たしかに急ぐこともない移動の場合はわざと各駅に乗って、座って帰るのもありだ。急行運転があるメリットは、こういう自分の気分や状態に合わせた電車の乗り方ができるというのも魅力の一つかもしれない。


あっという間の5分

……と、色々と聞いているうちに電車は新宿三丁目に到着。conpppさんの勤務先に一番近い出口は、いったん丸ノ内線ホームを経由して丸ノ内線の改札から出場する出口だ。


丸ノ内線の改札から出場!

conpppさんは、鉄道好きというわけではないらしいけれど、毎日使っている副都心線に関しては、お気に入りの服やバッグを大切にするように、副都心線が好きなんだという気持ちがひしひしと伝わってきて、なんだかぼくも少し幸せな気持ちになってしまった。

ひとの日常はぼくの非日常

スーツ着てるのに仕事できない感じがすごい

通勤は、通勤するそのひとにとっては毎朝繰り返される日常の一部でしかなく「つまらないもの」かもしれないけれど、こうやってひとりづつ取材してみると、電車の乗り降りの裏技だけでなく、通勤に対する思い入れや、ひととなりが様々に浮かび上がってきて、じつに興味ぶかいレポートになった。

100人いれば100通りの通勤があるわけで、ひとの通勤について行ってみるだけでも、自分では気づかなかった駅の構造に気づいたり、乗り換えの方法にひと工夫があったりと、色々な発見があって面白い。 一度、家族や友人の通勤についていってみるのも一興だと思う。


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