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ひらめきの月曜日
 
ひとの通勤についていく

下高井戸〜桜新町

次は世田谷線を全線走破するルートの通勤だ。



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世田谷線はわりとハードコアな満員電車

路面電車好きなぼくにとってはちょっとうらやましい世田谷線全線走破の通勤をしているのは、桜新町の会社にお勤めの永易(ながやす)さんだ。


やっぱりネクタイはしてないな……

世田谷線といえば、住宅街の路面電車といった「のんびりしている」イメージもあるが、朝はそんな印象をぶち壊す、ほかの鉄道路線と比べても遜色の無いハードコアな満員電車に変貌する。


ハードコア満員電車

最初はわりとスキマもあったけど
三軒茶屋に近づくにつれ、だんだんと混み始める

普通の電車と違い、車体が小さいうえに、2両編成なので、心理的にはけっこうな圧迫感がある。朝からのんびり世田谷散歩の気分……などと思っても、そうは問屋がおろさない。 座席に座れたとしても、山下駅を過ぎたあたりから、鼻先で中学生がモンハンやってるような混み具合になってくる。


「古びた民家」が上手く撮れなかったので、上町の車庫の写真 

抜き差しならない状況の中、永易さんは窓の外に見える古びた民家を眺めてこころを癒すのだという。 高架を高速走行する鉄道にはない、世田谷線ならではのささやかな楽しみといえる。

人の流れに巻き込まれない場所

永易さんは、下高井戸の始発から乗車なので、混んでいても何本か見送れば、たいてい座ることができるそうだが、どうしても間に合わないという場合。電車に発車間際に乗るのだそうだ。なぜか。


手前の料金箱の前あたりが安全地帯

「下高井戸から三軒茶屋方面に向かう電車で、右側のドアが開くのは下高井戸だけなんです。ですので、発車間際にひょいっと入って立っていれば、あとは終点まで左側の入口と出口しか開かないので、人の流れに巻き込まれずに済むんです」


出口と入口が決まっているので、人の流れが一定なのだ

これは世田谷線の車両の特徴をよくとらえた面白い裏技だ。上の図で示したように、終点まで開かないドアの前に立っていれば、人ごみにもまれること無く終点まで行くことができるのだ、まさに世田谷線の「立ちのS席」といってもいいと思う。毎日この電車を使って通勤している人でなければ思いつかない。さすがだ。

三軒茶屋から桜新町までは楽です

三軒茶屋に到着すると、田園都市線に乗り換えだ。


渋谷方面へ乗り換える人をしりめに…… 
人の殆ど居ないホームで優雅に電車をまつ

永易さんの勤務地は桜新町。三軒茶屋からだとラッシュの方向とは逆になる。

−−「朝のラッシュと逆方向でいいですね」
「2駅だけですけど、わりと座れますし楽なんですよね」

ただ、気を付けなければいけないのは、急行に思わず乗ってしまうと、桜新町に停車せずに二子玉川まで行ってしまう。要注意だ。


急行長津田行きが来た 
でも、急行なので乗らない

−−このルートで通勤はじめてどれぐらいですか?
「今年の5月に越してきたので、それ以来ですね、前は同じ田園都市線の鷺沼に住んでたんです。朝のラッシュ時のことを今考えると信じられないですねー」


女性専用車両は朝は上りの列車のみらしいので男性が乗っても問題ない。

世田谷線の混雑もけっこうなものだったけど、田園都市線の混雑の方がもっとスゴそうではある。永易さんの話によると、田園都市線の朝のラッシュアワーは、ノートパソコンの耐久試験に使われたほど混雑がひどいらしい。


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