べつやく:これが新書タイトルみたいですね
白川:横の四角が現代新書っぽいですね
江守:さすが白川さん。
このパワポを作るために調べていたら、新書はほとんど大きさでしか決まってなくて。173o×105oの判型。ここにもたくさん新書がおいてありますが、だいたい同じ判型。 |
|
林:変な形の本作ったら本屋さん並べてくれないですもんね
白川:最近チャレンジングな新書がたくさんあるので困っちゃうんですよね。棚から出たり、奥行きが長いとか。
江守:岩波の赤版がまさにこの173o×105oなんです。うちのメディアファクトリー新書はちょっと横幅が大きい。3oなんですが、棚に指したときにうちのはちょっと飛び出るようにしてます。
林:それは意図的に?
江守:そうです。最初に書店さんにヒアリングして、あんまり出っ張ってると駄目だよといわれながら。
林:ひっこんでるとだめですね。とりにくいから。
|
|
メディアファクトリー新書は岩波新書よりも3o幅が広い |
|
横山:そもそも新書はこういうことを書かなきゃ駄目みたいなことはカテゴリはあるんですか
江守:新書はノベルス系とノンフィクション系のふたつにわかれています。ノベルスはいわゆる小説ですよね。ライトノベルとかいま文庫が主流ですけど、最初のころはやっぱり新書ノベルスのサイズでした。
もうひとつのほうのノンフィクション系がいわゆる教養新書や実用新書というところで、今日テーマにするもので最近新書と呼ばれているものですね。
8行で分かる新書の歴史
江守:新書の歴史と分類をしてみたいと思いまして、歴史はほんとに長くてしかもいまレーベル数もすごくたくさんあるので、ざっくり8行で。 |
|
70年の新書の歴史が8行に |
|
林:岩波新書って戦前からあるんですね
江守:そうです。1938年からなんで相当長い歴史があるんですが、最初に岩波新書が出ました。現代人の現代的教養を目的としまして。
林:戦前に現代人と言ってたんですか?
江守:そうみたいですね。その後時を経て、1954年ぐらいから 第一次新書ブームというのが訪れて。新書って近年数が増えたと思われているんですが、1955年の時点で93レーベルありました。その前に全集が流行った時代があって、その全集がいったん収まった時期に何でもかんでも新書にしちゃえという。第1次新書ブームのころは「女性に関する十二章」など。
林:ちょっとエロいですね!
横山:なんとなくどきどきするね
江守:けっこうまじめな本です。その時代にカッパブックスというものが出たりとかして、わりと柔らかい流れが出ました。
江守:岩波は青版と呼ばれているタイトルが岩波らしい |
|
岩波の青版。実際にはやや緑。 |
|
林:税金 仏教。タイトルが直球なものが多いですね。
横山:ドラッガーがなんとかに比べたら2文字ですからね。
林:あれだったら「ドラ」で終わりだ
江守:これは1970年代なんですが、岩波が黄色版というのを出すんです。
横山:これもインパクトありますね。母乳。
|
|
岩波の黄版。母乳。 |
|
べつやく:まだ二文字ですね
江守:これは僕が意図的にそういうタイトルのものを持ってきているというのもあるんですけど。そのあと88年ぐらいからなじみのある新赤版が出るというのが岩波の流れではあるんです。
江守:その後に中公新書というのが出ます。
林:(ブビー)
江守:林さん鼻かんでますね。中公新書は「ゾウの時間 ネズミの時間」とか。あと大ベストセラーの「超整理法」。中公新書が創刊されたことで第2次新書ブームが起こる。
|
|
岩波の黄版。母乳。 |
|
江守:その第2次新書ブームをうけて、講談社現代新書が創刊するという流れです。
なんで現代なのか、講談社新書じゃないの?と思うんですけど、週刊現代とか小説現代とかがあったので、社内でもいろいろ話があったらしく、それで講談社現代新書というタイトルになったということだそうです。
心理学ものとかハウツーとかサブカルチャーとかそういうのを広く扱っている新書ですね。
江守:そこから時を経て、2003年に新潮新書が創刊します。そこで「バカの壁」というビッグタイトルが出たことによって、これは400万部いくわけなんですが、そのあと「超バカの壁」「死の壁」と続く。
べつやく:バカだったのが死んだ
江守:ここまで養老孟司さん。そのあと乗っかって筒井康隆さんが「アホの壁」という本を出した。でも前書きでは本書はパロディではないなんて書いてます。
|