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チャレンジの日曜日
 
嫌われ者の魚が美味しい

実食編3 アメリカナマズ

外来魚料理、トリを飾るのは日本淡水魚界の新星アメリカナマズである。今回捕獲した3種の中では飛びぬけてグロテスクな容姿を誇る魚だがその味はどうだろう。
オコゼやフグ、ウナギのように、変わった外見でも美味しい魚はいるが、彼もその限りなのだろうか。

さて、まずはやはり塩焼きから試してみよう。


アメナマの塩焼き、表側。

うむ。切り身にすれば外見の不細工さもどこ吹く風。ウナギの白焼きに見えなくもない


裏側。これでもかってくらい白身。

身はすごくきれいな白身。これはアメリカナマズに限らず今回捕獲した3種に共通の特徴。っていうか白身じゃない魚なんてマグロとカツオぐらいしか思いつかないな。

試食してみると…。


おっ。塩焼き美味いよ!

と思ったけど


あ。臭っ!

臭い!皮が臭い!
うーん、身の部分だけなら問題なかったのだが皮をかじったとたんに生臭さが鼻腔に広がる。決して我慢できないほどではないのだが、やはり美味しく頂くには抵抗がある匂いだ。
これはブルーギル以上の対策を講じなければならない。


匂いの元凶である皮をひき

念のため牛乳に浸す

先ほどの試食で匂いの原因が皮にあることは明らかになったので思い切って全て剥いてしまった。さらに川魚の匂い消しによく用いる牛乳を使い、身に残った臭みも徹底的に叩きのめす。
こうして下ごしらえをした上で次なる料理に挑む。


アメリカナマズもやはり煮つけと

フライになりました。

こいつぁうめえや!(江戸っ子調)

どちらもうまい。下ごしらえが功を奏したのか、思い切りかぶりついても匂いが全く気にならない。よかったよかった。一手間かけて皮さえ取り除いてやれば素晴らしい食材になるのだ。川のカワハギだと思えばいい。そういえば味も少し似ている気がする。
煮つけも確かに美味しいのだが、人に勧めるならやはりフライだ。
なんでもアメリカナマズの地元のアメリカ(当り前か)ではやはりフライにして食べられることが多いそうだ。時にはフライをサンドイッチの具として食べることもあるのだという。キャットフィッシュサンド!うまそうだ。

ブラックバスも美味しかったが、こちらのほうがやや繊維質で身が締まっている印象を受けた。また、味もよりしっかりしているようだ。個人的にはブラックバスのほうが好みだったが、そのジャッジには餡かけの成功とアメリカナマズの皮の匂いの記憶が少なからず影響しているのかもしれない。

それでは最後に、アメリカナマズでもそのビジュアルを生かした料理を一品作ってみようではないか。


ウナギじゃないよ。

アメリカナマズの蒲焼。鱗のないぬらぬらした魚体がウナギに似ていることから思いついたメニューだ。安直だ。
ともあれ見た目はかなりうまそうに仕上がった。実際のお味はどうだろうか。


がぶりと。

ああ…。微妙だ。蒲焼にするには身がしっかりしすぎている。味が淡白すぎる。油の乗りが足りない。
見た目がそれっぽいだけに余計に残念だ。実は今回一番期待していたメニューだったのだが。

そんなこんなで尻すぼみに終わってしまった今回の外来魚試食だが、いかがだっただろうか。一言でまとめるとすれば、「外来魚は美味しい!」これに尽きるだろう。
この記事を読んで外来魚の味に興味を持った方はぜひチャレンジしていただきたいと思う。

外来魚料理の注意点

今回紹介した外来魚はいずれも美味しく、食卓に並ぶのに十分な資質を秘めていると思う。おまけに釣っても楽しいので、読者の方々にも機会があればぜひ食味と釣り味を味わっていただきたい。

ただし注意してほしい点もある。川魚は数日間清浄な水の中で餌を与えず畜養することで独特の臭みをかなり軽減させることができる。これを「泥抜き」というのだが、今回取り上げた3種の魚はいずれも外来生物法の定めるところの特定外来生物(国内に広がるとマズい外国の生き物)に指定されており、生かしたままの輸送や飼育が禁じられているので泥抜きをすることは残念ながらできないので気をつけたい。

それから、寄生虫等の危険を考慮して刺身など生食は絶対に控えるべきだろう。実を言うと僕も挑戦したかったのだけど。

余った魚。あんまり楽しかったのでつい釣り過ぎた。当分外来魚メニューが続きそうです。

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